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お下げ髪の少女 後半

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「好きです。大好きです。邦彦さんと早く逢いたいと、
思っています。
夢を見ました。わたしは赤ちゃんを抱いています。
その隣で、あなたは絵を描いているのです。わたしが絵を
見せてほしいと云っても、あなたは見せてくれないの。
あなたは夢の中で、どんな絵を描いていたのですか?
初めて電車通学を始めた日、わたしはあなたを好きに
なっていました。
あの日のあなたは世界でいちばんまじめな人。
そんな印象でした。
あのときも、手帳に何か書いていましたね。
いつか、あのとき書いていたものを読ませてくださいね。
美緒のことを書いてほしいと、わたしは願っていました。
おかしいですよね。
いま、わたしの膝の上には可愛いミケの子ねこちゃんが
います。
喉をごろごろさせて、しあわせそう。昨日、家の庭に
迷い込んできたのを
中に入れたら、もうどこにも行きたくないみたい。
邦彦さんのねこちゃんはおとこのこですよね。
五年後に、夫婦にしてあげたいと思っています。
 美緒は春から生徒会の副会長をしています。会長の男子と、
昨日口論をしました。
少し反省しています。勉強も頑張っています。将来は映画の
字幕の翻訳をするか、同時通訳をするのが夢です。それが
無理なら、英語の教師になります。