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みっふー♪
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ワンルーム☆パラダイス

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【ふろく】ぷちぷち絵本☆ぐ〜らちゃんとむ〜いくん



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《1ぺーじめ》 これはでっかい たまご です。


(めくる)

「みてみてにーちゃん、すごくでっかいたまごをひろったよ!」
2トントラックくらいある大きさのたまごをかるがる頭上にもちあげて、げんきなおんなのこの ぐ〜らちゃん がいいました。
「よぉっし、いますぐこうばんにとどけよう!」
イケメソ男子(ギリボーダー)の む〜いくん が、とってもいいかおにわらっていいました。
「……。」
ぐ〜らちゃんはかわいいおかおをちんちくりんの八の字まゆにしかめました。
「にーちゃんそのギャグつまんない、」
「じょうだんなんかじゃないさ、」
――オレは本気さ、む〜いにーちゃんがニコニコいいました。
「オレらがたまごをこうばんにとどけるだろ? たまごは腐るから早く落とし主を探さなきゃいけないだろ? 落とし主はトリだから、トリ頭の連中、たまごのことなんかすぐに忘れてしまうだろ? トリじゃなくて爬虫類だったとしても、あいつらボッコボコたまご生みやがるから1コや2コなくしたところで気が付きゃしないさ。……つまりいつまでたっても落とし主は見つからない、たまごは腐る、落とし物保管じむしょの場所取ってジャマでかなわない上に、最終的には廃棄物処理までやんなくちゃならないんだ、けーさつにとってはよけいな仕事が増えて手間だろ?」
「……ちょっと、にーちゃん何言ってるかよくわかんないアル、」
ぐ〜らちゃんがますますまゆをしかめました。
「おまえはホントに、何つーかアレだな、」
にーちゃんは赤毛のおさげの毛先をひっぱってニコニコしました。
「……まぁいいけどな、おまえがオレみたいに頭脳派戦略家だったら、きょーだいそろってうっとーしいもんな、くうかねるかあばれるか、シンプル三択ライフでちょーどいいさ、」
「えーーー」
ぐ〜らちゃんが不服そうに、原型をとどめないほどかおをゆがめました。
「私、その間にかわいーものあつめたりうぃんどーしょっぴんぐしたりふわふわのものにもふもふすりすりしたりそれからそれから、」
「わかったわかった、」
半笑いでにーちゃんがいいました。
「くうねるあばれる+じゆうじかんの四択だ、」
「わーいっ!」
ぐ〜らちゃんはたまごをワショーイ!して大よろこびです。
「……」
――ぐぅぅ、そのときむ〜いにーちゃんのおなかが鳴りました。にーちゃんはよだれをすすってたまごの方をちらと見ました。
「やっぱりたべる? たべる?」
にーちゃんとおそろの赤毛のおだんご頭を傾けてぐ〜らちゃんがたずねました。
「でっかいめだまやきか、でっかいゆでたまごか」
――それがモンダイだ、にーちゃんは幅広のちゃいなそでに腕組みをしてムツカシイかおをしました。ぐ〜らちゃんもむ〜いくんもおもに食べる専門なので、あまり凝ったものはつくれません。
「そんなにでっかいおなべ、どこにあんの?」
七分丈ちゃいなずぼんでぴょんぴょんしながらぐ〜らちゃんが聞きました。
「ンなモン宇宙船1コツブシて鉄くずにすりゃナベ代わりくらいなんだろ、」
にーちゃんがあっさりいいました。
「にーちゃんカシコイ!」
ぐ〜らちゃんは空中にたまごを放ってぱちぱちはくしゅしました。
ふたりはえっさほいさとたまごをかついで丘の宇宙船ステーションにむかいました。頭の上を、――ぐぉんぐおん、巨大な船が行きかいます。
「……つか思ったよりデケぇな、」
――たまご100コくらい入んじゃね? 空を見上げてにーちゃんがいいました。
「たまご100コのめだまやき!」
ぐ〜らちゃんのすみれいろの目がキラーーーン☆と光りました。
「よしまずたまごを100コあつめよう!」
にーちゃんがいいました。
「うんっ!」
ぐ〜らちゃんはうなずきました。
こうしてふたりはたまご探しの旅に出ました。しかしぐ〜らちゃんが最初に見つけたやつほどでかいたまごは、そうそうみつかりませんでした。
「……私つかれたよ、」
かわりばんこにしょっていたたまごを草の上において、ぐ〜らちゃんがぐったりいいました。
「それにすごくおなかもすいた……」
ぐ〜らちゃんのおなかがくぅぅと力なく鳴りました。
「たまご100コのめだまやきだろ、」
いもうとの軽挙妄動をたしなめるようににーちゃんがいいました。しかし大して信念を持って起こした行動でもなかったので、にーちゃん的にもわりともうどーでもよくなっていました。
「……もういい、この1コだけでもたべる!」
おなかの虫をおさえきれなくなったぐ〜らちゃんが大口をあけてあむっ! たまごにかぶりつこうとしたそのせつな、
――ばりばりばりずしゃ!
なんと、うちがわからからをやぶってきいろいトリのヒナがうまれました。
「……ピィピィピィ、」
ヒナはぐ〜らちゃんのことをおかあさんだとおもったのか、きょうりゅうのしそんをおもわせるかぎづめ付きのがっつりしたあしでよちよちあとをついてきます。
「かーわいーーー!!」
ぐ〜らちゃんはヒナのおなかの毛のもふもふしたとこにさわってうっとりすりすりしました。
「私この子かう!」
――そんでたまご100コうんでもらうんだ!
ふたりはヒナをつれて、てゆーか背中にのっかっておうちにかえりました。あんのじょうというか、育ててみるとヒナはオスでした。
「……ウンじゃあ仕方ないアルな、」
かつてヒナだったおんどりのりっぱなとさかを見上げてぐ〜らちゃんが言いました。
こうしてぐ〜らちゃんとむ〜いにーちゃんはためらうことなくこんがりろーすとわかどりチキンにかぶりついておなかをみたしましたとさ、……いまいち消化不良のままおしまい☆


《さいしゅうぺーじ》 ひとかけらのおにくものこさずきっれーにこそげ取られたトリのホネ。

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