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とめられない恋 1

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(守護者探しって言っても…そう簡単に見つかるわけないよなぁ~…)

あれから3年、懸足弥希は今は高校2年生。
すっかり大人びいた顔立ちだが、心の中では毎日のように聖美のことばかりだ。
だが、いまだに守護者は0人。
このままでは拉致があかない状況だ。

(あ!!そういえば守護者の種類って…反射、頭脳、嫉妬、戦闘、普通(ノーマル)に
 わかれてるんだっけ…)

思いつくように、

(じゃあ、これを手がかりに見つけ出せばいいのか!!)

どうして今まできずかなかったのだろう、というほど不思議なことだ。
それに、守護者は妖精のように小さく、見える人と見えない人がいる。

(俺が見えなかったらどうしよう…)

という不安ばかりだ。




ガラガラっ




「みんなおっはよぉ~~~!!!!」

学校中のモテ男太田彼方(おおた かなた)が教室に入ってきた。
その瞬間女子が奇声を上げ始める

「きゃぁ!!!彼方くぅん!!今日一緒に帰らない?」

「まだ、学校きたばっかりなんだけどネ」

どんな質問でも笑顔で返す彼方はチャームポイントがあり、
目の下のある小さなほくろ、あほ毛ではないが斜め上に跳ねている髪の毛、
この二つがチャームポイントだ。

正直、弥希は男なので彼方にまったく興味ない。
なぜあんなナルシがもてるのか、いっそう女にふられちまえ。
とか思っていたりする。

「弥希くんおはよぉ~」

と、そこに彼方が突然なんもかかわりのない弥希に話しかけてきたのだ。
びっくりする弥希はだまって彼方を見つめていた。

「なんだよ~弥希くん!!そんなに見つめられるとてれるだろう!!」

頬を赤くして彼方は照れていた。

「…」

返す言葉もなく、ドン引きしている弥希。
そこで彼方はこっちの世界へ帰ってくるようにハッと何かを思い出したように
話し始めた。


「そうだそうだ!!弥希くん、相談があるのだけど…いいかな?」





そういわれたので弥希は彼方に校舎裏につれてこられた。
そこは人気のないさびしい場所だ。

「それで…なに?」

「そそ!!俺…マヂ悩んでることがあるのだ!!弥希くんのようにモテ男にしか
 相談できないような内容さ!!」

(うぜぇ…)

お前のほうがモテルだろ。とか言いたそうな顔をする。

「それで…なにさ?」

嫌な顔をしている弥希にきずかず、彼方はキラキラな目で弥希の両手をつかんだ。

「俺!!本気で女を好きになってしまったのだ!!!どうすればいい!?」

「告れば?」

以外にも即答する弥希に対し彼方が

「告白なんてして…断られたらどうするの!?」

「いや、お前かっこいいから大丈夫だろ…」
(いっそう振られちまえ)

「やっぱ?そうだよねネ!!じゃあ、今日の放課後告白してくる!!
 弥希くんありがとう!!!」

そのまま走っていってしまった。

(自分勝手な奴だな…)












(はぁ…今日も守護者みつからなかったな…まぢで俺が生きてるうちで
 何人守護者みつかるかだよな…)

いつものように一人でとぼとぼ昇降口を出ようとすると…
後ろからものすごい速さで弥希を誰かが押してきたのだ。
その反動で昇降口から校庭へ勢いよく吹き飛ばされる弥希。

「うわぁっ!!いってぇっ誰だよ!!」

弥希は地面に手をつき、その押してきた人の顔を見た。

「お前は!!」

そう、今日朝話しかけられた彼方だった。
しかも、その顔は涙でいっぱいだった。

「俺っ…俺っ…年下に振られたああぁっぁああああ!!!!!!」

「あっそ。」

そのまま心の中で笑いながら弥希は歩き始めた。

「まってよ弥希くん!!俺たち友達だろ??」

「嫌だ」

弥希の腰にしがみつく彼方をずりずりとひきずりながら歩く。

「弥希くぅぅぅぅん!!俺…立ち直れないよぉーー…」

「うるせぇっっ!!!俺は、守護者探しで忙しいんだ!!邪魔するなら一生
 俺に話しかけるな!!!」

その瞬間ピタリと止まる彼方。

「その…守護者、俺一人しってるぜ?」

「は…!?」

弥希が驚き隠せない様子で振り向いた。
嘘だと思い、彼方の顔をみると…本気の顔をしていた。
いつものへらへらした様子が一切なかったのだ。

「お前…それ本当か?」

「あぁ、本当だ。」

「教えてくれ!!」

弥希が彼方に近寄り、マヂな目をしてお願いする。
すると、彼方が

「じゃあ、俺の恋のキューピットしろよ?」

「ああ!!なんだってする!!お願いだ!!教えてくれ!!」

「おーし!!じゃあ、ついて来い!!」






(守護者ってどんな妖精だろう…パートナーの奴はどんな奴だろう…)

そわそわしてドキドキが隠せない様子の弥希。
ずっと彼方の背中を見つめて歩いている。




「こ…ここは?」

たどり着いたのはごく普通の家の玄関だ。

「俺の家だ。まぁ、あがれ」

そういって階段を上り、彼方の部屋についた。

「レオ!!でてこい。」

彼方がレオという人物を呼ぶと…
なんと、彼方の肩の上にでてきたではないか!!

「え…もしかして…お前が!?」

「あぁ、そうだぜ。俺がパートナーでこいつレオが守護者だ。」

レオの大きさは手のひらに乗るくらいの小さな妖精だ。

「よっ!!俺に力をかりたいなら…俺の恋のキューピットしろよ、クズ」


このとき弥希は思った。
飼い主と守護者は似ることを…




つづく
作品名:とめられない恋 1 作家名:河童巻き