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ブラコンなヤンキー君とヤンデレのお友達

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何も変わりのない高等学校
毎日を平凡と過ごす学生たち
いつも通りの日常が…
送れるはずもない、ココ『新徳大学付属高校(しんとくだいがくふぞくこうこう)』

窓の向こうを眺めるのは、目に憂いの色をのせた、絶滅危惧種ではないかと思われる金髪の青年。
左耳に5、右には6のピアスが日の光を浴び輝いている。
制服もだらしなく着崩されており、この生徒の日ごろの授業態度がよくわかる。
名前は、銀崎雅通(ぎんざき まさみち)優雅な名前なのに、どうしてこうなった?な名前の持ち主。
そして、彼の口癖は
「兄ちゃん、何してるかなぁ~」
これである。
その台詞を本日33回聞いている、彼の唯一の親友兼幼馴染である青年が睨みつける。
「勉強してるだろうさ…大学2年なんだから」
黒い、とにかく黒い髪は日の光を浴びきらりきらりと輝いている。
琥珀の目は、親友の口癖に呆れと怒りに炎が燃えていた。
軽く人が殺せそうである。
制服は、キッチリかっちり!学校指定制服の着方のお手本の様に着こなしている。
対照的な二人が一つの机に向かいあい、一人は空に兄の幻覚を思い描き、一人は宿題のノートと睨みあっている状態。
ちなみに学校の時間帯は、部活生の時間『放課後』である。
運動部の生徒は汗を垂れ流し、青春を謳歌!
文化部の生徒は集中力を高め、友情を育む!!
そんな時間である。
「冷てぇなぁ~、俺の親友様は~」
「黙れ、ブラコン…貴様の兄さんを見れないように目玉を抉り出すぞ」
「キャー、ココに優等生という名の殺人n「だまれ、ブラコンヤンキー」
容赦のない口撃に雅通は、完敗した。
ここまでの間は、10秒。
雅通の親友の名前は、『黒淵常善(くろぶち とこよし)』と言う。
彼の属性は『ヤンデレ』で彼女もち。
この高校では、常に成績で学年一位をキープ。
成績どん底な雅通とは、見事に真逆な青年である。
「…兄ちゃん…会いたいよ~、俺今日は兄ちゃんエネルギーが足りなくて…死す!!」
「死んどれ」
「冷たいなー、そりゃあお前の愛する恋人が今日、体調不良でお休みなのはドンマイだけどさー…親友にあたらないでよ~」
「…乙女…」
常善が恋人の名前を呟く。
「だからって、弱気にならないでー!」
「分かった…で、何故放課後居残った?」
その問いに雅通は、真剣になる。
常善も真剣な表情になる。
そして一言。

「実は」

「あぁ」

「財布を落とした」

「……は?」

返ってきた言葉は、耳を疑うほど呑気な答えだった。
そしてこの時、常善のとてつもない怒鳴り声が響き、高校の先生が何事だ駆け込むまでの時間30分。
二人の日常の一部分は、こうやって終わる。

「この大馬鹿ブラコンヤンキー!!」

「目が、ヨシ、目が!据わってる!!据わってるって!!!」

[END]