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郷田三郎(G3)
郷田三郎(G3)
novelistID. 29622
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メリーゴ-ラウンド

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 貴方に見せたい訳じゃない。
 でも見られたくない訳でもない。

 混乱した頭の中を回る遊具がかき混ぜる。

 はしゃぎ回る子供たち帰った後の遊園地、ピエロのメイクが悲しそうに笑っている。

 あたしは貴方の仲間じゃないの。
 この涙はメイクじゃない。

 心の叫びも聞こえないフリをして、ピエロがあたしに挨拶をした。
『コンバンハ、オヒトリデスカ? ナニカノリモノニデモノリマセンカ?』

 言葉を使わないピエロだけど、何を言っているのか判ってしまう。
 まるで友達に話し掛けるよう。

『アレニノッテミマセンカ?』

 指差す先には『メリーゴーラウンド』

『コドモノコロニモドレマスヨ』

 煌びやかな遊園地でも一際きれいな装飾たち。
 悲しい気分とは裏腹に……。
 あたしはふと立ち上がり、白い馬に腰掛けた。

 くるくるとまわるメリーゴーラウンド♪

 一回りごとに戻ってゆく時間。
 貴方に出会う遥か前、子供のころに夢見た事。