待たせてゴメンね♪
「ねぇ〜、京平どうしたの? 早くおいでよっ」 カレンが呼ぶ声にハッと我に返って言った。
「あぁ、ゴメン!」
俺は少し前を歩く高校生らしいカップルをじいーっと見ていた。ほんの数年前の自分の姿と重ねながら……。「さぁ早く行こうよ〜」 と、カレンが俺の腕を絡めるように掴んで引っ張った。 俺達は今、大学の講義が終わって二人で俺のアパートに向かって歩いている。一部屋しかない狭いアパートだけど、ベッドさえあれば彼女と二人で愛し合うには十分だ。そして俺の部屋にはセミダブルのベッドがある。
カレンとそこで愛し合うのも、もう何度目になるのだろう。
傍目にはこうして腕を組んで歩いていれば、どう見ても恋人同士に見えるだろう。だが、俺はカレンを愛しているんだろうか? 確かにセックスをしてる時のカレンは最高だ! 俺の愛撫への反応は申し分ないし、あそこの良さと言ったら……。
「むふふ……」
大学へ入ってからの女は彼女が三人目だけど、多分その中では最高だな。「ウゥッ!」
不覚にも下半身が早くも反応し始めた。頼もしい奴だ。「もうすぐお前の出番だぞっ! 」
俺は相棒に、声にならない掛け声をかけてやった。
「京平着いたよ。早く鍵ぃ〜」
俺の腕に豊満な胸を押し付けながらカレンが急かした。
ガチャッとドアが開くと、カレンは「お前の家かよ?」って言いたくなるほど慣れた様子で、さっさと靴を脱いで上がると、ベッドに腰掛けて俺の方を見、そして物欲しそうな目でにやっと笑った。
その視線は、俺の顔からすぐに下半身に移動した。
俺はテーブルの上にキーケースを無造作に置くと、ジャケットを脱いで足元に放り、カレンの隣に座った。 カレンは待ち切れない様子で、乱暴に俺の首に腕をまわし絡めながら、俺の唇を吸ってきた。俺も舌を絡めながら唇を舐めまわしたら、お互いの唾液が絡まって厭らしい味になった。 少しするとカレンは、自分から服を脱ぎ始めた。その様子を俺はじいーっと見つめる。服が一枚一枚剥がれると同時に、カレンの裸体が露わになってくる。それを見ていると、俺の身体の中から何かがムズムズと湧き上がってくる。
カレンがブラジャーとパンティだけになった時、俺はトレーナーとズボンを脱ぎ捨て、カレンをベッドに押し倒した。
その豊かな左胸を右手で揉みしだきながら、右の乳房に食らいついた。舌先で包み込むように乳首を吸うと、それは既にツンツンに立っていた。
俺が唇を、乳房からカレンの右脇へと這わせて行くと、カレンが身を捩らせた。
脇って言うのは案外ゾクゾクッとするものだということを、俺は経験で知っている。
すうーっと舌先でなぞるように愛撫すると、また身を捩らせながら、
「はぁ〜〜」
と薄い吐息を漏らしつつ、俺の頭をそっと撫でた。
俺の舌先がカレンのデルタ地帯の茂みに到達すると、
「あっあ〜〜」
と、彼女は熱い吐息を漏らし、震えながら足を開いた。俺は素早く、白いすらりとしたカレンの足の間に身体を滑り込ませ、艶めかしく俺を呼ぶ茂みを舌でまさぐった。
カレンの吐息は少しずつ喘ぎ声へと変化して行き、クリトリスの蕾みも僅かだが膨らんできている。そこを執拗に責めると、彼女は堪らなくなったのか腰を振り始め、
クリトリスの周りは、俺の唾液とカレンの愛液でもうぐちゃぐちゃになっている。
俺は一旦顔を上げて唇を離すと、今度は中指を挿入した。中で壁を擦るように動かすと、壁が指に纏わり付いてくる上、その動きに呼応するようにカレンの腰が揺れる。俺の股間はもう血管が破裂しそうなほど張り切っている。俺は指を抜き、代わりに太く猛り狂う相棒を一気にズボッと押し込んだ。
「ウッ!」 「はああぁ〜」
二人同時に声を上げた。
最初はゆっくり、次第に速度を早めて俺が腰を前後すると、カレンの喘ぎ声が、
「ああ〜あっはぁ〜ん んん〜あ〜〜」
と際限なく続く。そして遂には、
「ああ〜お願い……一緒に……あっはぁ〜ん……い、いきそう〜」
と、究極の嗚咽とも思えるような声をあげる。
俺はそんなカレンを虐めたい衝動に駈られ、益々激しく花園を責めまくる。俺の相棒は今や花園を破壊するキングとなって、傍若無人に暴れまわる。そして花園からは激しく愛液が溢れ出し、遂には俺の、熱く真っ赤に燃えたマグマと混濁して果てた。
「ああぁぁ〜〜〜っ」
と、一際長い喜びの声を合図に、俺はカレンの上に倒れ込んだ。
――第一ラウンドが終わった。
俺達はしばし並んで横になり、軽い口付けを交わしながら第二ラウンドに備えた。そして再び、数分後には愛液にまみれた厭らしい部分を互いに舐め合うことから、次なるラウンドが始まった。
カレンは俺のキングを口で愛撫する。あまりの上手さに、
「一体何人の男としてきたんだろう?」
いつだったかそう思って聞いてみたことがあった。しかしカレンは、覚めた声で答えた。
「えぇ〜、もしかして妬いてるの? もう覚えてないわよ。そんなこと」
「そんなに覚えきれない程の数なのかよぉー」
と、内心俺は思ったが、焼き餅と取られるのが嫌でそれ以上は聞かなかった。
しかし俺だって人のことは言えない。大学に入ってからはカレンが三人目だが、トータルすれば四人目だ。まぁ特別多いと言うほどではないけれど、少ないとも言えない。
そう、初めての時は高校の……ああ、今は考えないでいよう。
今度はカレンの尻を後ろから攻めた。すると彼女は牝馬のように反り返って喘ぐ。腰を掴んで揺すると、自分が雄のライオンになったような気がした。
そして、最初のラウンドに比べると少しだけ早くその時を迎え、俺はそのままカレンの背中に突っ伏して果てた。
「はぁ〜はぁ〜」
カレンは俺の下で、全力疾走した後みたいに息をついている。
そして、いつもの第3ラウンドは、カレンが俺の上になった。
カレンはこの体位が最も好きらしい。自分の動きたいように動き、勝手に感じまくっている。自分の乳房を自分で掴んで、喘いでいる。
俺はそれを下から見上げ、カレンの喘ぐ顔を見るのが楽しかった。
そうこうする内、カレンの愛液の海はググッと大波が押し寄せ、俺のキングを飲み込み締め付けてきた。もうすぐだ。
カレンの絶叫とも思えるイク時の声は、俺にとっては最高で、それはまるで賛美歌のように響いた。哀れを誘うような、痺れるような、語尾を長く引きずる、胸の奥から搾り出すような声だった。
こうして俺とカレンのいつもの愛の交歓が終わった。俺たちの性の相性は悪くない。そう思ってはいるが――やはりあの時の感動は……いや、今は……やはり……。