自由 (詩集)
オレの天使と悪魔
オレの中にある
天使と悪魔が
仲良く影響しあい
醒めてしまっている
「愛してるというセリフは別れこそ相応しいな」
「うん、相手を引き止める時にな」
「実際、効くのかなあ」
「恋と一緒さ、所詮錯覚。人によりけりさ」
「おまえ変わったな」
「そういうお前も」
オレの中にある
天使と悪魔が
仲良くなって会話で
退屈を紛らわせている
「なんだか毎日刺激がないね」
「もう歳かね」
「貧乏という病気らしいよ」
「関係あるのかなあ」
「どうだろうねえ」
「どうなんだろうねえ」
オレの中にある
天使と悪魔が
仲良く
家出の相談をしている
「いつ、ここを出ようか」
「ああ、いつでもいいよ」
「出てからどこへ行く?」
「考えてない」
「そうか、オレもだ」
「面倒くせえな」
「ああ」
オレの中にある
天使と悪魔が
仲良く
惰眠を貪っている
こいつらを追い出して
新しい天使と悪魔を
育てようか