自由 (詩集)
四人の囚人
紙に
四人
と書いた
もちろん女の数ではない
子供も一人だ
なぜ四人なのだろう
俺はマージャンをやりたかったのかもしれない
四人という文字は囚人とも読めた
せっかくだから
架空の
囚人 囚人 囚人 囚人
囚人四人にした
囚人①は家族という檻に入っている
囚人②は貧乏という檻から出られない
囚人③は過去という檻から出ない
囚人④はお酒という檻の中で溺れている
俺は囚人たちに仕事を与えた
仕事はもちろん集塵
しゅうじんをしたが匂いが残った
匂いと言えば脱臭である
囚人たちが
だっしゅうだっしゅうと仕事に励んだら
だっそうという言葉が浮かんだ
囚人たちは脱走して
どこかへ行ってしまった