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喪主のことば

ふと
気がつくと
喪主のことばなどというものが
頭の中に形づくられていて
もう
それを崩しても何も変わらないと
意地になって
もっとしっかりと
形づくろうとしてみる

でも
頭の中に形づくられている
それは
優しく元気なので
小春日和のこんな日は
きらいだと思う

風向きがだんだんとに北にかわり
ああ　これで対等になれる
そう思ってはみたが
オレは陽差しのある所を
歩いている

未完成の喪主のことばを
冷凍にして
オレは
病院に向かう