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プロポーズ歌合戦

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プロポーズは絶えることはない。駅から繁華街に向かう陸橋の上、ここはビル街の夜景がきれいに見えるのでカップルも多い。今、珍しく女性が男性にプロポーズの歌を歌い始めた所だった。ショートカットの頭、小さな顔に厚くて形のいい唇がセクシーで小悪魔的な容貌だ。

 ♪ あたしなんで 抱きしめたいんだろう
  まつげが好きよ 聖者の瞳が
  いけない そのおしりにさわりたい
  いそがない いそがない 
  うそ、もっと愛したいのよ  (song:CHARA)

あまりにかわいらしく、大胆でもあって、他の女性はも聴き入ってしまった。
男は時代劇の侍役が似合いそうな顔で、身体もがっしりしている。だが、顔は照れくさそうにあいまいな微笑を浮かべていた。


まだ、脈はあると思ったか、待機していた清純なお嬢様風の女性が歌い出した。

 ♪ 恋しくて 泣きだした
  日々などもう忘れたの
  今さらはもう戻れない 
  傷つけ合った日々が長すぎたの
  戻る気はないなんて ウソついて 笑ってても
  信じてた もう一度 もう一度   (song:BIGIN)

男があきらかに動揺した顔をした。小悪魔をちらっと見やり、それからお嬢様に近づいて行き、手を握った。


小悪魔は歌いながら去って行く
 
 ♪ 彼はなんで 抱きしめないんだろう
  わたしなんで 抱きしめたいんだろう

作品名:プロポーズ歌合戦 作家名:伊達梁川