切望。
僕は 君がいなくても何事もなく生きてゆくよ
化膿を始めた肺はただ 緩やかな苦痛を繰り返すよ
そうやって僕のシャツのすそを必死に握りしめて
何をそんなに怯えているの
心の中を他人の僕に見せられる
泣いて何かを欲しがる事が出来る
君は僕なんかより ずっと強い人なのに
君はこんなにも キラキラしているのに
死人(シビト)のような僕は
誰かが哀れむのをきっと待っているんだ
君が生かした僕と 僕を造ってる僕は
どんな色の差なんだろう
僕はずいぶんと酷い人間だから
君の髪をなでる事だって出来るよ
その涙を拭って微笑んであげることも
内側に温度がなければ 全部意味のない事だと
君だって本当はわかっているのでしょう
だからそうやって泣くのでしょう
君はしなやかに身を翻して 飛び去ってしまったらいい
僕の声が触れないずっと遠くまで
僕の両足首は土に捕まっていて きっと太陽に焼かれてしまう
ガラス玉のような僕の眼を
君は見つめなくていい
君の幸せを望む僕を
君は知らなくていい