頑張らない介護
そして帰るときには
「今度いつ来るんだ?風邪ひくなよ。
仕事がんばれ。
退院したらうまいもの食いにいこう。
お父ちゃんがおごってやるからな。」
などといって、歩行器でヨタヨタしながら
玄関まで見送りにきて、
私の車が遠ざかっていくのをずっと見ています。
また近いうちに来てやらねば
って思います。
確かに、施設にいる親父はさみしさは当然あるでしょう。
でも、あのまま家で介護を続けたら
父が死ぬまで会話はなかったかもしれません。
『 頑張らない介護 』は
けして手抜きやいいかげんなことではなく
お互いのためにはいいのかもしれません。
施設入居はなかなか空きがありませんが、
現状の中で使えるサービスはめいいっぱい使って
自分自身に笑顔をつくるゆとりをつくり、
その笑顔で語りかけ、いっぱいお話してあげるほうが
ベストな介護ではないかと、最近、思えるようになりました。
この日本には、私らよりも長く辛い日々を
送っている方々もたくさんいることと思います。
介護生活は、体験してみないとその苦しみはわかりません。
体験していても、それぞれに度合いや生活環境も
違いますから、なかなか参考にならなかったり、
アドバイスも難しいものです。
わからないからこそ、当事者になんて言葉を
かけたらいいのか難しい部分もあります。