頑張らない介護
=====================
親父の変身・・・
---------------------
『うわぁ〜、わぁ〜〜〜〜。』
・・・・へんな鳴き声で目が覚めた。
俺は、ソファでうたた寝してしまったらしい。
妻は、ダイニングテーブルに顔を伏せて寝ている。
慌てて廊下に出て見ると、廊下はところどころ
濡れており、下半身をビショビショに濡らした親父が
トイレの前で泣き崩れていた。
親父
『ごめん、ごめんなあ。。。。
お父ちゃんなあ・・・お父ちゃんなあ・・・・
もう、何がなんだかよくわかんねえんだ。
ごめんな。洩らしちまったよ・・・ごめんなあ・・・・。』
俺
『大丈夫だから。ほら、そのまま風呂場へ行こう。
風呂入ろうぜ。背中流してやっから。』
そして、洗面所で服を脱がせ、風呂場へ行った。。。。
親父は、ずっと謝っている。。。
シャワーを親父にかけながら、
俺
『どうだい?気持ちいいべえ?
気にすんなよ。みんなこうなるんだよ。
いつか俺もこうなるんだ。みんな避けられない事なんだよ。
こうなってさあ、面倒みたりみられたり、幸せな事だよなあ。
おふくろは、こんな思いもしないであの世に行っちまった。
その分、面倒みろよって親父にのしかかってきたのかなあ。』
親父は、泣いていたことも忘れたのか、急に鼻歌を歌い出した。
俺
『気持ちいいか?』
親父
『ああ、いい気持ちだあ。次はお父ちゃんが背中洗ってやる。』
俺
『今日はいいよ。明日、洗ってくれや。
さっきの歌はなんだよ?』
親父
『歌?なんの歌?』
俺
『さっき、歌ってたんべや?』
親父
『俺がかあ?歌をかあ?』
俺
『・・・・・そっか。・・・まっ、いいや。』