小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
仁美@hitomi
仁美@hitomi
novelistID. 25969
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

鈍感と無自覚と

INDEX|1ページ/2ページ|

次のページ
 
「千尋」

「………」

呼び掛けに答えられる程、今の自分には余裕がない。
普段と違って要の方が優位な立場にあるという事もある。

「返事しなくていいから聞いてくれないか」

「………」

もともと返事をする気はない

「俺、嫌なんだ。自分がよく分からない。千尋の言葉に一喜一憂したりする。鼓動が速くなって止まらない事もある。だから、すごく嫌……悪い。お前に話す事じゃねぇよな」
















ふざけないでほしかった。
そんなの初耳だ。
鼓動が早まっていくのがわかる。止まれ、こんなの要に聞かれたくない。
要を両手で突き飛ばした。
全てがスローモーションのように過ぎていく。

ふざけるな。
それじゃあまるで、



「好きみたいじゃないですか」


告白する勇気なんてさらさらなかった。なまじの気持ちで要と付き合おうとも思わないが、このまま気持ちを持て余すのも嫌だった。
それなのに。
なんでいとも簡単に崩してしまえるのか。
理性までがたがたに崩されてしまいそうだった。


「千尋、それはない」


引き攣った笑いを浮かべている要を見て余裕を取り戻す。
大丈夫、要は鈍感無自覚が象徴のような人だ。
これからゆっくり気付かせてやればいい。
先に光が見えたようで思わず微笑んでしまった。

-END-
                            (あとがき→)
作品名:鈍感と無自覚と 作家名:仁美@hitomi