我輩はデブである―1章―
体重計は「0.0kg」まで正確に測れるデジタルのものが良い。
2010年5月、デブであることを自覚した私は、ダイエットを始めることにした。
とはいえ、これまでダイエットに興味を持ったことも無い私には、イマイチ方法が分からない。
さらに致命的なのが、「食事制限はなんかメンドクサイ」と思っていることだ。特にカロリー計算とか…いちいち気にしていたら、楽しい食事が台無しだ。しかも甘いもの我慢なんて私に死ねと!?
そんなわけで、「食事制限」・「甘いもの我慢」はしないで、ダイエットをしようと考えた…初っ端から雲行きが怪しいダイエット生活のスタートである。
とりあえず、母がやろうとしていた「量るだけダイエット」に挑戦してみることにした。このダイエットは一日二回体重を量るだけでOKという簡単なものだ。もともと、N●K「ためし●ガッテン!!」で紹介されたものなので、興味のある方は番組HPにてご確認を…
体重を量るタイミングは、朝(食前)と夜(食後)の二回。早速、71kgが発覚した翌朝、食事前に体重を量ってみた。
69.6kg…減ってる!!
そして、一日六食生活をした後の夜、量ってみると
71・2kg…増えてる!!
2日目
朝 70.0㎏
夜 71.4㎏
3日目
朝 70.4㎏
夜 71.7㎏
私はあることに気付いた。「朝より夜のが体重が重い!!というか、3日で0.7㎏太ってる!!何故だ!?」と、普段使わない頭をフル回転。
結果、「食前よりも食後のが体重は増える」という、ごく当たり前な答えが出た。「ならば食べなければ良いではないか…しかし、それでは死んでしまう。」ジレンマに陥りながら、4日目に突入。
朝 71.0㎏(ぎゃ~~~~!!!)
夜 71.7㎏(!?)
あれ?昨日の夜と一緒だ…ここでも頭をフル回転させ、原因を考える…
「そういえば今日、五食しか食べてない…」
ツッコミどころ満載だが、その日なんとなく食欲が無くて、おやつを一食抜いたのだ。
ついでに、「どうして食欲が無かったんだっけ?」とそこも考えてみる。「体重を気にして食べる気にならなかったんだ…」
自分の心の変化にビックリしたが、コレは使える!!
5日目
朝 71.4㎏
夜 71.7㎏
6日目
朝 71.0㎏
夜 71・3㎏
7日目
朝 69・6kg
夜 70.0kg(-1kg!!)
7日目の夜、嬉しさのあまり雄叫びをあげる娘に父母は、「まだデブだから…」
5日目以降は、「体重を気にして食べる気にならない」気持ちを利用し、「一日三食」生活にしてみた。精神的にキツイかなと思ったのだが、完全に「甘いもの<体重減る」状態になっていたため、コンビニや、駅中の甘味コーナーを見てもまったく心惹かれなかった。
だが、完全に甘いものを絶ってしまったわけではない。デザートとしてしっかり食べていた。「おやつじゃなくて、デザートとして食事と一緒なら甘いもの食べても大丈夫」と誰かが言っていた。本当かどうかは知らないが「大丈夫、大丈夫!」と己に言い聞かせ、実際に体重が減ったのだからそれで良し。三回の食事も、カロリーや量の調節はしていない。おそらく私の食事量は、一般的な女性の食べる量よりも多いかと…
カロリー計算が苦でない人は、取り入れるともっと早く体重が落ちるかもしれない…私はやってないので憶測だけど…
「量るだけダイエット」真の目的は「自分の体重の変化を分析し、増える原因を考え、排除すること」である。
個人的に、このダイエット方法は「余計な間食を減らす目的」で活用してほしい。ある意味、自己暗示やマインドコントロールを利用するので、一歩間違えると拒食症になったりする。
作品名:我輩はデブである―1章― 作家名:邑上奈津美