最初は目立ちたかっただけだった
夢だった。
小さい頃からずっと野球選手になりたくて、
必死でボール追っかけて
中学も高校もずっと野球部で
甲子園に出たくて必死だったけど
決勝で負けたのが最後の試合で最高の結果だ。
ドラフトにひっかかる同世代を見ながら
大学の試験勉強して
何とか受かった普通の大学で、野球やった
プロのテストも受けて
何回も受けた
でも足悪くして短距離でタイム取れんくなって
とにかく手術して二五歳まで頑張ろうってきめたけど
プロからはこえがかからずに
月日は過ぎて・・
二五歳になった。
両親も年取ってきて
長男が働いてないのが親戚に面子がわるいらしく。仕方なく。
あきらめて地道に就職活動
なんとか二流の会社だけど受かり、
月給20万だけど地道に頑張って
夜遅くに帰って
ナイターのニュース見て
同世代が大リーグ挑戦するってニュース
「お前は無理だろうがっ、肩が弱いし、体がちいさすぎる!!」
ってビール飲みながらぐだぐだ言って
出てきた腹を触って
チョイなさけなくなってきて
もう一本ビール飲んで
酔って寝る。
朝、起きてまたなかなか慣れない仕事場に向かう。
満員の電車でポスターのイチローが
「夢は広がる」ってこっち見てる
「意味がわからないよ
スーパースター」
そう呟いて人ごみに消えた。
―――――――――――――――――――――
僕は小さい頃からこれっていう夢がなくて
でも他の誰とも違うすげー事やるんだろうなー
って抽象的に考えてた
いまは随分具体的になってきたけど
まだよくわからないってのが本音
夢ってなんだろうと改めて考えて
ある程度見えてるものが手に入らないと過程して、それをあきらめて全く違う生活のための仕事に就くとする。
・・・・・・・
夢は期限があると思う。
人それぞれに
長くできたり
短く終わったりするだろうけど
終わって。
さぁ違う生き方を楽しもう
日々のささやかな少しを楽しもう
そーやって
おっさんになって
じいさんになって
ああmまあまあ楽しい人生やったな、、コトン
あぁ
ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
そこにきちんとした価値観はある!!
きっとそれで幸せの定義も作れる!!
まちがっちゃいない!
けど
俺は嫌だ。
俺は俺のもんだ。
肋骨が折れて肺が破裂するまで叫びたい。
毛がちぎれて脳が膨張するまで悩みたい。
足の指が全部無くなってヒザまあで骨が見えるぐらい足掻きたい。
みんなの夢のイメージってなんですか?
やりたいことがない人生は幸せですか ?
僕は頭がおかしいでしょうか?
じじいになってもバット振り回したい!!
正論じゃない事はわかってる!
ただの理想論だっ!
でもなんだよ、この感じ!!!
バット振り回して死なせろよなっ!!
行き過ぎですか?
あきらめるとはなんでしょう?
期限はいつですか?
考えてたら朝になってて
もさい自分の顔を鏡で確認。
冷たい水で胃を満たして
ブシツケな日記を止める事にし。
押入れの中の錆びた金属製のバットを握りしめて
バス停に向かった。
作品名:最初は目立ちたかっただけだった 作家名:junzo7