-蝶と華-
君が華ならば、あたしは蝶だ。
甘く芳しい。
匂いに誘われて君の元にひらひらと。
君の蜜でのどを潤す。
*華*
貴女は美しい蝶。
ひらひらと優雅に舞う。
私は揺れる風になびかれ。
貴女を誘う。
貴女は舞うひらひらと。
ひらひら舞って私の元へ。
*蝶*
それを見た瞬間、心を奪われた。
野に咲くなんでもない華。
何故かはわからないけど、
とても、懐かしい感覚。
凛と太陽に向かって咲く、気高い華。
なんて、そんなこと言ったら、笑われる。
それでも、華が好きだ。
あたしだけの秘密の華。
*華*
優雅に舞う蝶のようになれたらいいのに。
あまりにも綺麗な白い蝶。
最近は見かけることも少ないから、
見かけるととてもうれしい。
蝶が蜜を求めてひらひらと。
華に辿り着いた姿を見て、心が揺れた。
何に対しての動揺なのか?
分からないままその姿を見つめた。
ひらひらと舞う美しい蝶。
一緒にその空を自由に飛べたらいいのに。
*華と蝶*
命は短い
精一杯愛しても届かない
一つのなることはない
華は、蝶に蜜を分けられても
一つになることは出来ない
蝶は、その花粉を運ばなければいけないのに出来ない
華のそばを離れたくない
自然の摂理に逆らった華と蝶
行く先は、精一杯の命を燃やして
土に戻るだけ
だけど
生まれ変われるなら、もう一度恋に落ちたいと、
蝶はひらひらと舞った
萎れた花の周りを
ひらひらと
ひらひらと
END