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いっぱいアッタサ
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novelistID. 28954
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ウィッチ~森に住む魔女の物語~

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プロローグ




本をパタンと閉じ、ロイエは紅茶を口にした。
机の上には書類や沢山の本が無造作に置かれており、お世辞にも綺麗とは言えない。
部屋の中には大きな光は無く、ランプの僅かな光でロイエは本を読んでいたのだ。
「こんな夜遅くまで勉強熱心じゃのう」
部屋の奥から声が聞こえた。
「なんか寝付けなくて前に図書館で借りた本を読んでたよ」
ロイエは振り返らずに声の主に答えた。
「ほぅ、人間嫌いのお前さんが人間の娯楽に興味を持つなんてのぉ」
「人間に関わらない様に生きてはいるけど、娯楽は大事さ」
ロイエはそう答えると椅子から立ち上がり、窓を開けた。
「今日は妙に月の光が入ると思ったら満月なんだね」
「満月の夜はワシらの魔力が高くなる日でもあるからのぉ」
声の主も窓辺に近づき、ロイエと一緒に窓の外の月を見上げた。
「でも、こんなへんぴな所に住んでいるあたし達には関係の無い話さ」
「寂しい生活じゃが、それもお前さんが望んだ事じゃ。それより、そろそろ食料の方が底を付くぞい。明日あたりに買い出しに行かねばならんな」
「そうだね。それじゃあ買い出しのついでに借りた本も返してくるかな」
ロイエは机に戻り、机の本をまとめ出した。
「ところでその本はいつ借りて来たものじゃ?」
「そうさねぇ~、30年位前だったかな」
魔女達の満月の下での会話。物語はここから始まる…。