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VISION 1-7

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涼が顔を洗って戻ってきた。
落ち着いているように見えるが、真剣な目つきは変わっていない。
春は食堂での一件を話した。
「つまり俺たちは、眠ったら現実的な夢の中で目を覚ますってことか?」
「たぶん。食堂のときは、みんなバスに乗っていなくなってただけかと思ってた。
 でも絶対何かがおかしい。厨房の火が付けっぱなしとか、通行人すらいなかったりとか」
「俺も、コンビニ行ったら、店員だけいない状態だった」
そして涼は思い出した。
「そうだ、たまたまおにぎりを手にとって、日付を見たら、
 製造日が昨日の日付だったんだ!」
「な、なにい~!ということは…」
夢は眠った直後の世界。
そういう意見で一致した。
「これは…なんなんだ。また警察に言った方がいいのか?」
春は呆れた。
「おまえは警察大好きだな」
「俺達の力でどうにかなるのかよ。
 毎日こんな夢を見てたら俺は…」
涼が頭を抱え、震え始めたので、春も焦る。
「落ち着け。ちょっと落ち着け!」
「悪いけど休ませてくれ。横になるだけだから」
涼は再びベッドにもぐった。
あたりがしんと静まってから、春がぼそりと言った。
「おまえ昨日は一人で起きれたのか?」
「起きれたさ」
布団の中から涼の声だけが反応する。
「そうか…なんかな…」
「なんだ」
「いや」
春は先を話そうか迷ったが、疲れている涼を見て、やめておいた。
「ま、思い過ごしだな!」
「春…何が心配なのか分からないけど、もう大丈夫だ」
涼は腕だけを動かし、ウサミを指差した。
作品名:VISION 1-7 作家名:みつや