WHITE BOOK
今日は愛の月11日。アリスとソアラが出発する15日までには、どのように行動するか決めておかなくてはならない。想楽のグループが合流するのが当日の夕方の予定だからだ。
「ということだから嵐、予定通り退院できるようにゆっくり休んでね。嵐は本社の間取りとか覚えてる?」
「あぁ。大幅な改装をしていない限り、俺が使ったことある施設は大丈夫だ。」
「んじゃ、詳しく聞かせてよ。嵐がチョーカー持ってるし、いろいろと都合がいいよ。」
「任せてくれ。」
嵐が微笑む。想楽が今まで見てきた中で、一番優しい笑顔だった。
最初、暗号を訳した時はどうなるかと思ったが、うまくまとまって良かった、と想楽は安堵する。
あとは美姫とみるむが無事助け出せるか、サリアとクレスの暗示を解くことができるか。心配事はそれだけだ。
作品名:WHITE BOOK 作家名:アリス・スターズ