WHITE BOOK
「次の文――『くれす』はこの手紙をくれたクレスのことで、『ちしき』は知っているって意味。『かぎのことば』でクレスが知っていたことは……フリーダム社入口のパスワード、のこと。」
アリスとソアラが目を見開いてこちらを見てくる。頼斗と同じく、当然彼女達もフリーダム社のセキュリティを知っているはずだ。
「パスワード教わったの?」
ソアラの問いに頷いて答える。
「気の狂った炎の舞、と書いて『狂気炎舞(クレイジーダンス)』だって。」
本の形に戻したエリカの、後ろから2ページ目を開く。そこにも、エリカが記憶したパスワードが記録されている。
《愛の月10日現在のフリーダム社本部入口のパスワードは“狂気炎舞(クレイジーダンス)”です。》
「いやー、よく聞き出せたもんだね。」
「クレスが勝手に話してくれたんだけどね……。」
当時のことを思い出し、少し苦笑いする。
作品名:WHITE BOOK 作家名:アリス・スターズ