WHITE BOOK
その変化は本当に一瞬だった。
ソアラの集めた炎の源力は、嵐が手を向けている側からたちまち色を変えていく。緑色になった源力はソアラには形をとどめることは出来ず、そのまま霧散していった。
想楽とセイファーが驚くのは当然だが、それ以上にソアラが驚いていた。
「えっ、えっ?何、今……?」
全ての炎の源力が消えてから、嵐は腕を下ろした。
「源力変換(マテリアルチェンジ)。俺がホワイトホルダーとして持っている力だ。」
先程の例で言うと、炎属性を風属性へ。目に見える源力であれば、全ての属性を別の属性に変えることができるという。確かに、源力操作では説明できない。想楽の髪の色が変わったのも納得だ。
動揺を何とか抑えて、ソアラが感嘆の声を漏らした。
「へぇ……だから白髪って珍しいのか。」
作品名:WHITE BOOK 作家名:アリス・スターズ