WHITE BOOK
そこで、ちょうどいいタイミングでソアラが戻ってきた。
「あ、おはようソアラ。……って、」
挨拶をして、ソアラの表情を見ると。
「ど、どうしたの?大丈夫?」
「ああうん、大丈夫。ちょっと眠れなかっただけ。」
ソアラの目元にはくっきりと隈が浮かび上がっていた。表情にも元気はなく、声のトーンも低い。眠れなかったとは言うが、ちょっとどころではなく本当に一睡もしていないのかもしれない。おそらく、昨日の事件が原因だろう。
ちょうど知りたいこともあるし、と聞いてみることにした。
「昨日の事件のニュース、今やってたんだけどさ。えーと……なんとか団体の梢 亜理子さんって、昨日ソアラが言ってたエランドの1人だよね?」
こくりとソアラが頷いた。
「うん、さっきまでアリスと電話してたんだ。」
作品名:WHITE BOOK 作家名:アリス・スターズ