WHITE BOOK
第9章:時乃言葉(Timeful Words)
次の日。朝早く、扉が開閉する音で目が覚めた。
いつもなら7時にセットされた目覚まし時計の音ですら起きない想楽だが、環境の変化がそうさせたのだろうか、ベッドに内蔵された時計の時刻はまだ6時半だった。うつぶせの状態から腕の力でゆっくりと起き上がる。いまだ見慣れない水色の髪が視界を覆った。
「うー……。」
眠そうに目をこすりながら辺りを見回すが、ソアラの姿は見当たらない。きっと先程の扉の開閉で外に出たのだろう。
しばらくベッドに座ったまま眠気を覚まし、想楽はユニットバスに入る。ひどい寝癖のついた髪だけでも洗っておこうと思ったのだ。
作品名:WHITE BOOK 作家名:アリス・スターズ