Log②
無題
本に視線を落とす、君の横顔をじっと見つめる。
少し眉をひそめて、眉間に皺を寄せて、少しムッとしたように口の端が下がる。
難しいことでも書いてあったのかな。
君の方が、おれなんかより何倍も頭がいいのに。
君でも分からないことってどんなことだろう。気になって本を覗き込んでみる。
「邪魔」
怒られちゃった。
あ、さっきより眉間の皺が増えた。
癖になるよ、って言っても君は聞いてくれないし。
でも、そんな君が顔を緩めて笑うことも、おれはちゃんと知ってるんだ。
太陽の光をはじく髪をゆらして、透き通った瞳を細めて、こっそりひっそり。
でもちゃんと笑うことをおれは知ってる。
難しい顔も。怒った顔も。笑った顔も。
面倒くさそうにしながらも、誰より真摯におれを見る瞳も。
素直じゃないところも。不器用なところも。
誰より優しいことも。
おれはちゃんと知ってる。
そんな君が、この世で一番美しいって、おれは本気で思ってる。
君は、馬鹿らしい、って言うんだろうけど。
君は美しいよ。この世の何よりも。この世の誰よりも。
2009/02/21
「美しいものが美しいのではない、好きなものが美しいのだ」