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dmc3双子短編詰め合わせ

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きみがいない(3D)


雨の音がうるさい。ひどくしけったにおいと、血と、腐敗臭ばかりが満ちている。ざあざあと足元からは深く黒く真っ暗な中に落ちていく水の流れがあって、この先へといざなう手伝いでもしているかのようにも思えた。深く切り裂かれた左手の掌からぽたりぽたりといくつもの赤い血が流れ落ちて、その水の流れにもまれていった。まるで同化してしまうかのように、血に形はなく水にまみれてしまえば色すら残らない。半魔の体はとてもつよくて、切り裂かれた傷はもう閉じ始めていた。握りしめて傷口に爪を立て、一瞬前に穴に自らを投じた彼の行く先を思案する。視線の先にあるのはただ暗い穴ばかりで、その先をうかがい知ることは果して出来はしなかった。ダンテは立ち竦みながら、足をもう一歩踏み出すことができなかったことを悔やんでいるのかどうなのか自分自身に問いかける。来るなとでも言うように降られた刀の冷たさだけが左手に残っただけで、彼はいない。いないことを悔やんでいるのかもしれないと少しだけ考える。堕ちていく時すら彼は彼でしかなかったのだし、それが彼の選択であることに間違いはなかった。ならばそこに存在した自分の意志というものはなんだったのだろう。息苦しいほどの瘴気が満ち始めた中で、ただ数秒にしか満たない短い時間であったけれど、ダンテはそんなことを考える。

幾らかの沈黙の後、ダンテは踵を返し、フォースエッジを手に取る。緩やかな流れに逆らいながら出口へと向かって走り出した。
雨が降っていた。