マジック・セーラー
それはわかっている。わかっているけど。
でも、生まれてから一度も両親の顔を見たことないわたしが望んではいけない望みではないと思う。
「自分は愛されていたのか?」
「生まれた瞬間、周りは祝福してくれたのだろうか?」
「両親は、わたしに本当はなんと言う名前をつけてくれたのか?」
……。
たぶん、こんな悲観的なことを考えてしまったのは、あの夢が原因なんだろう。
というか、絶対に、そう。
悲しいことだけど、わたしがほかの人間に愛されることなんて絶対に、ない。
でも、しょうがない。
しょうがないんだ。
ヴーヴーヴ!!
そんなことを考えているうちに私の携帯がけたたましくなった。