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焼き印を押されて、僕は永久の罪人になった。もうこれ以上に怖いものはない。これより重い罪は宮刑・そして死刑のこの国で、額に焼き印を押されるぐらい何だというのか。人が避けるだけだ。僕はただ優越感に浸りながら、周りを見ている。
　聖人を殴ったらこうなった。なんのことはない。救世の教えとやらで住んでいた村の飢饉は免れなかったことに対する怒りだ。それでなぜ神は焼き印を押す？じゃあ救ってくれよという話だのに。
　神は結局誰かを助けるために生きているのではない。ムッハムハのハーレムを築くためにこの世をがんばって改変しているだけなのだ。そんなものの為にこの命落とすまじとあるいては無視をされる。神の笑い声が聞こえる。
　「逆らわんとする者は悪ならん哉」
　神を殺さねば太平は得られまいと、試みた呪いはあざけりをただ得るのみ。あああと叫ぶと泥沼に行き着く。
　「悪魔さんよ」
　神が懼れる。
　「悪魔さんよ。この魂を引き替えに神を殺せ」
　そうしてこの身は煉獄魔となった。あとは神を焼き殺すのみだ。は、ははは、はっはっは…！

　気がつけば、すべての概念が灰になっていた。幸福も平和も友愛も。