恋音
「ん…」
意識が体に戻ってきて、目を開ける。
あぁ、さっきのは夢かー…。
立ち上がろうとして違和感に気づく、
俺の手には手錠がされてて、それが上の方で後ろの棒に括り付けられてる。
しかも周りを見渡すと、どこかの工場の成れの果てのような所で。
手錠を思いっきり引っ張って見たけど、やっぱり無理だった。
「お目覚めかァ?」
手錠のガチャガチャという音に気づいた男、
他校の奴がいやらしい笑みで眺めてくる。
「…なんのつもりだよ」
わざと声を低くしながら睨む。
だけど奴は怯んだ様子もなく背後に向かって手招きしている。
すると辺りからゾロゾロと数人の男が出てきた。
5人ぐらいか…。
みんな他校の制服を身に着けている。
なんとなくこれから自分がされる事は想像できた。
俺こいつらに恨みかいまくってるから、死ぬまで殴るとかだろうなぁ…。
いや、殺しはさすがにしないから、死に際までかな。
そんな事考えながら、奴らのリーダー、俺と寝た奴を眺めてたら、
一人の男がなにか液体が入った小さな小瓶を取り出した。
ほかの男は俺の脚を股を開くポーズで抑えている。
「おい、なにすん…」
「あきらぁ…」
リーダーが俺の名前をいやらしく呼ぶ。
「お前ってさ、セックスしてる時めちゃくちゃイイ顔するよなぁ」
「っ……知るかよ」
たかが一回ヤったぐらいで、そう付け足してやろうと口を開いたときだった
「んぐっ!?」
一人の男が俺の口の中に自分の指を突っ込んできやがった。
思わず噛み付こうとしたが、その前に舌を引っ張られる。
「ひはっ…!はらへぇよ!」
「待ってナ、今イイ気分にしてやっから」
男はそのまま俺の舌を引っ張って上を向かす。
痛くて目じりが濡れてきた。
ドロ
男の指を伝って、生暖かい液体が口の中に入ってくる。
思わず舌を引っ込み、吐き出そうとしたけど少し飲んじまった。
その瞬間、体がドクンッと大きく脈打った。
なんだ…、体が…。
「っ……熱い、」
思わず声に出してしまったけど、そんなことよりも体が熱く疼く。
息もなんだか荒くなってきた。
「へへっイイ顔してんなぁ」
「はっ、ふ…はぁ………」
「なんだぁ?もうキマリすぎて旨く喋れねぇってか?」
「ちがっ……はっ」
否定したいのに旨く声にならなくて、
しばらく呼吸を繰り返して、ようやく奴らが俺になにをしようとしているか理解する。
「っ……レイ、プか…よっ」
「お前溜まってんだろ?俺たちが気持ちよくしてやるよ…」
「んっ…」
リーダーの顔が近づいてきて、口付けられた。
そのまま舌が入り込んできて気持ち悪いぐらい俺の口内を荒らす。
「ふっん……やめ…っ」
必死に逃げようとギリギリまで後ずさる。
嫌だ、もうやめたい。
奴の手が俺の体を弄り、胸の突起を摘む。
その瞬間、俺は感じたくないのにめちゃくちゃ反応をした。
「やらっ…触る、な……ぁぁんっ!」
「すげー反応するな、乳首超起ってんぞ。」
リーダーが乳首を舐めたり手のひらで押したりする。
それだけで俺は目の前が真っ暗になるような感覚になる。
突然リーダーと俺を眺めていた他の4人がズボンの前を開け、自身を取り出した。
「なんだぁ?お前らもうおっ勃てんじゃねぇか」
「へへっ…だってソイツエロ過ぎるんですよ」
「リーダーもういいっすか?」
「予定より早いけど、まぁいいだろ」
「やりー♪リーダーまじ大好き」
そんな会話を遠くなりかけてる意識でなんとか考える。
俺、こいつら全員に犯されるのか…?
頭ん中で警報が鳴り響いてるけど、さっき飲まされた媚薬のせいで体が思うように動かない。
リーダーが俺から離れると他の4人が寄ってくる。
そのまま俺のズボンをベルトを外してズボンを下げようとしてきた所でハッとする。
「やめっ!…はなせ!!」
「暴れんな、よっ!」
「うっ…」
思いっきり頬を殴られ、意識が本格的におかしくなってきた。
もう駄目だ…俺……。
とうとう諦めモードに突入状態で抵抗をやめて大人しくした。
それをイイ事に奴らはどんどん俺の服を剥ぎ取っていく。
「あきらちゃぁん…可愛がってやるからなぁ。」
「はぁ……はっ、」
ズボンを膝まで下げられ、下着に奴らの手が触れたとき。
バンッ
工場の入り口を誰かが蹴り破った。
いっせいにそっちを見たが誰もいない。
不審に思った一人が見に行った瞬間。
「ぐっ!」
ドサッ
なんだ…?
見に行った奴はいつまでたっても帰ってこない。
ふいに、一人の人影が見えた。
ゆっくり、ゆっくり近づいてくる。
そして姿が見えた瞬間、俺は信じられない思いに固まる。
「僕の生徒、返していただけますか?」
そこには俺が好きで好きでしょうがなかった奴、
夏越一が笑顔で微笑んでいた。