―…邪気眼…だと…!?
やめてええええ!嘘だと言ってよ、バーニィ!クラス全員の視線が私へ飛んでくる。それは、『イケメンくんいいなァ』とか『転校生の隣とか羨ましいなァ』という視線ではなく、『うっわあ、俺の隣じゃなくて良かったァ。頑張れ、葵』という視線だ。断固拒否したい、けれども先生の視線がそれを許さない。
「佐藤、大神くんをよろしくな!」
放り投げた!全部私に放り投げたよこの人!爽やかな笑みは本当に加持さんのようだ。クラス中の期待した目線(お前に任せたっていう)、そして近づいてくる大神くんに、私はもう抵抗できない。
「はい…」
観念をした私は、静かに返事をした。
作品名:―…邪気眼…だと…!? 作家名:笠井藤吾