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三叉通の案内屋

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あるところに三人の姉妹が住んでる家がありました。
 長女は容姿は普通より劣りますが、とても勉強好きで色々なことに詳しい賢い長女でした。
 次女は容姿は美しい子で、それに更に磨きをかける努力を怠らない美しい次女でした。
 三女は醜く、始終食べてばかりいて、太った三女でした。
 その家では姉妹とおばあさんが一緒に貧乏ですが、仲良く住んでました。しかしおばあさんが急に重い病気にかかってしまい、薬の材料を街で買ってこなくてはなりませんでした。
 三人の姉妹はそれぞれ街に出向いて薬を作るのに必要な材料を各自買ってくることになりました。

 街に向かう道の途中には迷いやすい三つの分かれ道がありました。あまりにも人が迷いやすいと評判のために街は案内をさせるための「案内屋」を設けました。
 
 賢い長女が街に向かう道でその三つの別れ道に出会いました。長女は道がわからいないでいると、分かれ道のはずれに家を見つけました。
 「案内屋」という看板があるので入ってみると男がいました。長女が道を尋ねると男は案内料として、金銭を要求しました。しかし長女は今までの観察からこの施設が街の行政施設と見抜いていました。長女は街の行政に詳しく、男がそのような態度をとることは法に反するということをつげました。すると男は意地悪に道をワザと難解にして早口でまくし立て、一回喋ったきり、黙り込みました。しかし長女は賢く一回でその道順を空で暗記してしまいました。そして見事街にたどり着きました。

 次に、美しい次女が待ちの向かう途中の三つの分かれ道の家に道を訪ねたとき、男は家の前まで出てきて家に招待しました。男はおばあさんの話や家の話を親身に聞き、その話にむせび泣き、親孝行な次女を褒め称え、目的の街まで送るのも厭わないと言い、馬車まで用意して街に送りました。男は本当はお金がかかるのだが、構わないと何度も言いいました。何から何までしてもらった次女は恩を感じて今は持ち合わせがないので、この礼はいつかきっとすると言いました。

 デブの三女が三つの分かれ道の家を訪ねたとき。男は何も聞こえない振りをしていました。聞こえるように話すと舌打ちをしてイライラした様子で家の壁を蹴ったり、椅子を蹴り飛ばしたりしました。しかし三女が何度もしつこく道を聞くとイラついた様子で道を教えました。しかし実はその道はでたらめな道順だったのです。

 
 数ヵ月後三人の姉妹は見事薬の材料を手に入れてきました。


  賢い長女は街で知識を使ってお金を増やし、薬を手に入れました。帰りには立派な御者付き馬車で戻りました。

  美しい次女は街で身体を売って薬を手に入れました。そして帰りに男と一夜を共にすることで借りを帰した後、戻りました。

  デブの三女はデタラメな道の先の険しい山にいた魔法使いの弟子になっていて、薬を自ら栽培して作り出しました。そして帰りに三叉通の案内屋の男を、もう誰も道で迷わないような立派な標識に変えてから家に戻りました。そして三人が手に入れた薬でおばあさんは見事治りました。

 終わり。
作品名:三叉通の案内屋 作家名:カコルリ