君にもらうもの
ケガしてないか「心配」になった。
そして、私はその場から走っていった。
『 君からもらうもの 』
入場門に集まると貴方はもう列の中にいて、後から来た私に手を振ってくれた。
「おせぇよ、お前。心配したじゃん。・・・・まぁいいか頑張ろうぜ」
赤い長めのハチマキを締めなおして、笑いかける。
私よりも10センチは高い目線の彼に私は、「うん」としか言えなかった。
今年初めてクラスメイトになって、このリレーの練習の時まで、言葉を交わしたことがなかった。
入場のアナウンスが流れる。
私たちは列を成し、グラウンドの中央へと進む。
全校生徒が興奮気味の歓声で私たちを迎えてくれる。
『そばにいろよ。かっこいいとこ見せてやるから。』