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魔法少女リリカルマギカ(第1話)魔法少女大決戦(改)

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第5章 力を貸して



高町なのはは、敵影が、もうないのに、
結界が崩壊していない事に
気がついていた。

『敵は、もう、ここにいないのに、捕獲結界はそのままだね。』

『つまり、まだ、敵の襲撃があるとみた方がいいよね。』

『うん。』

なのはと、フェイトの予想は当たっていた。

静かだったその場を全て破壊するのが望みのような轟音と共に、
一つに集合し溶け合った巨大融合魔獣が空間から出現する。

さやかが、もううんざりだ、と言う声をあげた。

『まったくもう、しょうこりも無く。空気読めっつーの!』

『ユルサヌ、許さぬぞ!ナニが友達だ!!何がナカマだ!!
 平気で人はヒトを裏切る。平気で人はヒトをだます。
 平気で人は他人の大切な夢や、理想を簡単に叩き潰す。
 許すものか、ユルスモノカ、
 にくい、ニクイ、憎い、にくい!!! があぁぁぁぁ!!!』

巨大融合魔獣が人の声で、怨嗟の叫びと、憎しみを吐き出す。

そして強力な魔力と共に闇の波動の嵐が少女たちに襲いかかった。

『こ、この気持ちは!そうか、あなたは、
 あなた達は夢を、理想を壊された人たちの、
 絶望の中で生まれた悲しみそのものだったんだね。
 だから人を憎む事しかできなかったんだね。』

『まどか!』

『鹿目さん!』

『くっ!!』

『こんのーー!!!』

魔法少女達は使用可能な遠距離攻撃を繰り出すが、
巨大融合魔獣の防御シールドはびくともしない。

逆に、まるで巨大竜巻の様な、破壊的な魔力と闇の波動の暴風に翻弄される。

『こ、この防御力に、攻撃力、そしてこの信じられないような魔力!
 こいつは、あのワルプルギスの夜以上の敵かもしれない。』

それでも、ほむらの心が絶望に染まらないのは、
最高の友達が、そして大切な仲間がともにいるからだろう。

合計8人の少女たちは、結界内にかろうじて残った壁のような地形の裏側に
、陣取り、敵の攻撃からなんとか身を守っていた。

杏子はある事を思い出し、心に生じた疑問をまどかにぶつける。

『そういえば、まどか、ほむらの説明によれば、
 あんた、宇宙最強の魔法少女なんだろ。
 なんとか、ならないのかよ。』

実際、鹿目まどかは、杏子たちの宇宙が変革された日、
文字通り、宇宙最強の魔法少女となったはずだった。

しかし、それは一日限定の強さだった事を知る者は、
まどか本人と、さやかの二人だけのはずである。

『そ、それは..』

『恐らく、無理だわ。』

まどかの気持ちを代弁したのは、ほむらである。

『ここにいるまどかは、恐らくは100パーセントのまどかじゃないのよ。』

『は? どう言うことだよ、それ。』

『さすがは、ほむらちゃん。
 全部お見通しだね。』

ほむらの考察を肯定するまどか。

『私は、あの日、全ての宇宙に存在する、全ての魔女を、
 この手で消し去りたいと、願ったの。
 だから、私のほとんどの、魔力と存在力の部分は、いまだ、
 いろんな宇宙に行って魔女と戦っているの。』

『だから、100パーセントのまどかじゃない、と言うことなの。』

ほむらが、まどかの説明をフォローする。

『私と、さやかちゃんが、ここに来れたのも、
 リインフォース、と言う人が魔力を
 たくさん分けてくれたからなの。』

『やはり、そうやったか。』

はやてが、『リインフォース』の名前に反応して、
会話に加わる。

『うん、リインさんに頼まれたんだ。
 八神はやてさんと、その友達にも力を貸してあげて欲しいって。
 だから。』

まどかの中には何か、決意が出来ているらしい。

『しかし、このままじゃ、あかんな。
 なんとか、突破口をひらかな。』

そんな中、なのはは収束砲を使おうとするが、
やはりケガの後遺症のためか、魔力収束が思うように出来ない。

『なのはさん、わたしが、力を貸してあげる。
 だから、お願い、皆も私に力を貸して。』

まどかは、レイジングハートを握る、なのはの手の上に自分の手を重ね、
さらに自分の魔法の弓をレイジングハートに重ねあわせる。

すると魔法の弓とレイジングハートは一つに融合し
巨大なボウガンのような形状となった。

そして、まどかは、目をつぶり何かを祈るような表情になっていく。

その祈りが形になったように、
まどかの背中の黒い翼が、白く輝き、さらに巨大化していく。

『まどかさん?!こ、これって?!!』

驚く、なのは。

だが事情をわかっているらしいさやかが、あわて始める。

『ちょ、ちょっと、まどか!!
 そんなに魔力を全開したらせっかくリインさんにもらった
 実体化のための魔力がすぐなくなっちゃうわよ。
 まどかは、それでいいの?』

『分かってるよ、さやかちゃん。
 でも友達を守るためだから。ふるさとを守るためだから。
 そして、夢を失った人たちの、
 憎しみも、悲しみも、すべてを受け止めたいから。
 それは、たぶん、わたしにしか、出来ない事だから。』

『ならしかたねぇ、サポートはばっちりしてやらァ!』

『しょうがないや、あたしもつきあうよ、まどか。』

杏子とさやか、そして他の皆も強くうなづく。

魔法少女達は気持ちをひとつにしていく。ひとつの光に変えていく。

皆の魔力だけでなく、皆の祈りの光までが、力強い流れとなり、
まどかの背中の、美しい白銀の翼を通して、
ボウガンの形に変形したレイジングハートに集中していく。

少女達が声を揃えて詠唱する。

『希望の祈りよ、今こそ光の星屑となりて、 闇を、打ち、くだけー!!』

『 スターダスト・デストロイヤー!!!!!! 』

カッ!!!!!

一瞬あまりの強烈な光で、何も見えなくなる。

この閃光を見たほむらは、一瞬、あの日を思い出していた。
それは、なにか、デジャブな感覚と言えた。

白き閃光と共に、大型ボウガンから桜色の巨大な光の矢が放たれる。

それとほぼ同時に、それを迎撃するかのように、
巨大融合魔獣の頭部から大型魔力ビーム砲が発射された。

二つの強大なパワーが空中で激突し、互いに力比べを、始める。

ググググッ!!

やがて、少しずつ融合魔獣の魔力ビーム砲が、
光の矢を押し返し始めた。

『くそっ、矢が押し戻されるぞっ!』

『こ、このままじゃ!』

『みんな!
もう一度、みんなの魔力と祈りの光を、
 あの矢に込めよう!!!!!』

なのはが、みんなに提案する。

『よっしゃ!!』

『了解だよ、なのは!!』

『おお、やってやるぜ!!!』

8人全員の、魔力と祈りの光が、魔法の矢に集中し、
魔法の矢はさらに巨大化し、光り輝く。
そして...

ググッ、グググググ!!!!!!!

魔法の矢は、徐々に魔獣の魔力ビームを
押し返し始める。

『オオ?!
ウオオオオオ!!!!!』

巨大融合魔獣も、負けじと、魔力ビームにパワーをこめた。

いまや魔法の矢と、魔獣の魔力ビームは、
そのパワーを拮抗させていた。
だが!!!!!

『こーーのーー!!』

『まーけーるーかーーー!!』

『ぶちぬくんやーーーー!!!』

『あたいらを、なめるなぁ!!!!
 魔法少女を、なめるなぁ!!!!』