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魔法少女リリカルマギカ(第1話)魔法少女大決戦(改)

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第3章 魔法少女なんだが



ほむら達3人は、融合魔獣の攻撃を回避している内に、
結界の端の方に追い込まれていた。

ボクシングなどに例えるならば、ロープ際に追い込まれ
攻撃を受けすぎてグロッキー状態の選手と言ったところである。

さすがに、ほむらにもあせりの色が見えた。

『くっ、このままでは。』

『魔力を消費しすぎて、3人とも消滅するしかないですわ。』

『冗談じゃねえ!! このまんま消えてたまるかよォ!!!!!』

今では、魔法少女同士で協力し合うための連合会が組織されていたが、
他の魔法少女とのテレパシー通信も魔獣たちにより妨害されているようだ。

じりじりと包囲を狭めるロストロギア融合魔獣たち。

その目はまるで、獲物を追い詰めた喜びに、笑っているかのように見える。

キン! バキィーー!!

その時、金色の閃光とともに、特殊結界を切り裂いて、乱入してきたのは、
時空管理局の魔導師、なのは、フェイト、はやての3人だった。

時空管理局とは、
----- 広大なる虚数空間の中に、
宇宙のインフレーション活動によって生まれる無数の宇宙 -----
すなわち多次元世界の中でも、魔法文化の特に発達した
ミッドチルダ世界において設立された組織である。

その本質を簡単に説明すれば、
法を守り犯罪者を取り締まる警察組織としての部分と、
各次元世界で戦争・紛争・内乱等が起きた場合に行動する治安維持軍としての
部分が存在する。

又、災害発生時の人命救助や
各次元世界の文化、科学・魔法技術の保護・研究も
時空管理局の任務の一部である。

( 登場する少女たちの、年齢と、外見について、解説。
 なのは達は中学1年生頃の年齢です。
 なお、まどか最終回のラストシーンで
 ほむらの姿が変化していないように見えたので、
 マギカ宇宙の魔法少女は老化しないと推測して、ほむら達も原作同様の姿。 )

『なのは! あれを見て!!』

『か、怪獣?! と言うより巨人?』

『その怪獣だか巨人だか、に、魔導師の女の子たちが、
 襲われとる!!』

『助けよう!!』

『了解や!!』

なのはに答えた八神はやてが、
『夜天の書』と言う名の魔導書を手にして、詠唱を開始した。

『彼方より来たれ、ヤドリギの枝、銀月の槍となりて...』

はやてが、魔法の詠唱をする間、先に攻撃動作に入ったのは、
時空管理局の白い魔王こと、高町なのはである。

高町なのはは、フェイトほどではないが、魔法戦の実戦経験が長い。

彼女はまだ9歳の頃から命がけの数々の戦いをくぐり抜けている。

なのはには砲撃魔導師としての天賦の才能があり、
さらに、その手にある高性能インテリジェント・デバイス、
レイジング・ハートがその実力を100パーセント引き出していた。

インテリジェント・デバイスとは、AI(人工知能)を搭載し、
実用レベルで魔力を運用するのに必要な高速演算処理を可能とする
魔導師専用の自律思考型端末である。

なのはにとって、
レイジング・ハートは、単なる道具でも、機械でもなく
心と命を持つ自分の親友とも言える存在である。

もともと、このレイジング・ハートは、
ミッドチルダを中心に活動している、
遺跡探索を主な仕事としている種族、スクライアの
少年ユーノが発見、所持していた
詳細不明のデバイスである。

そのレイジング・ハートが、なぜか、
魔力・魔法には完全に素人だった少女、
高町なのはを気に入って以来、
『二人』の間には、
心と心の、命と命の、
信頼関係が確かに育っているのだ。

なのはと、フェイトが現在着ている服装についてだが、
これはバリアジャケットと呼ばれる
魔導師専用の戦闘防護服である。

バリアジャケットは、
二人が元々着ていた服、今は時空管理局の制服を元にして
彼女らのインテリジェント・デバイスが魔法で構成したもので、
バリアジャケットの名の通り、敵の攻撃を防ぐバリアと、
高温・極低温などを遮断するフィールドを複合発生している。

なのはが着ているバリアジャケットは、
セイクリッド・モードと言われるもので、
白を基調にしており、一見するとドレスのようにも見える。

( なのはは、まだ教導隊入りしていません。)

ところどころ、濃いブルーのアクセントが有り、
各部の魔力増幅用フィールドジェネレーターの赤い宝石と
胸の大きな赤いリボンがおしゃれポイントとも言えた。

『やるよ! 長距離砲撃!! 』

なのはの声に、愛機レイジング・ハートが答える。

〔バスター・モード! 〕

レイジング・ハートは砲撃特化形態バスター・モードに変形した。
反動吸収用のブレーキ・ウィングも展開する。

〔ドライブ・イグニッション! 〕

なのはは、レイジング・ハートから思念波で伝えられる
ターゲット・イメージに従って、敵に狙いをつけた。

ターゲットは、なのは達に気がついて、
無造作に接近してくる魔獣の一団である。

『いくよ。』

〔ロード・カートリッジ! 〕

レイジング・ハートは、マガジン(弾倉)から
2発の魔力カートリッジを装填した。
その魔力カートリッジに込められていた魔力は、
カートリッジの炸裂によって、レイジング・ハートとなのはの体にチャージされる。

なのはの足元に、桜色のミッド式円形魔法陣が形成され、
レイジング・ハートの先端部の前方の空間にも、
2つの環状魔法陣が魔砲バレル(砲身)として出現した。

その直後、レイジング・ハートの前方の空間に、なのはの魔力が半実体化した
スフィア(魔力砲台)が現れ、桜色に輝きだした。

なのはは、レイジング・ハートをライフル銃の様にかまえる。

愛機は、発射準備が完了した事を主(あるじ)に伝えた。

〔ディバイン・バスター・エクステンション! 〕

『ディバイーーン・バスター!!!!』

レイジング・ハートの先端部に形成されていたスフィア(魔力砲台)の
まわりに更に小型のスフィアが3つ形成された直後、
中央のスフィアがふくれ上がり、桜色の巨大な魔力砲弾となって
標的へと直進する。

なのはの魔力砲弾の直撃を食らった、魔獣の一団は粉々になって吹き飛んだ。

砲撃の終了後、レイジング・ハートは先端部の排気ダクトを開いて、
砲撃魔力の余剰分を排気した。

なのはに少しだけ遅れて、攻撃をしかけたのは、
なのはの親友、
フェイト・テスタロッサ・ハラオウンである。

フェイトの姿は、一見、飾り気のない、
黒色と間違えそうな濃い藍色の制服の上に
ただ白いマントを羽織っているようにも見える。

その外見は、トップモデルのような彼女の容姿と、
その美しい金髪のロングヘアーとも相まって
、フェイトを実年齢以上に大人の女性と錯覚させる。

だが、その服装も、彼女の愛機であるインテリジェント・デバイスが
フェイトだけのために構成したインパルス・フォームと言う名の
バリアジャケットである。

このフェイトのバリアジャケットは、
高速戦闘を主目的としながら、
防御力も高いバランスの良いフォームである。

また、隠しモードとして、
超高速モードが準備されているが、危険な物なので
現在、採用は見送られていた。