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魔法少女リリカルマギカ(第1話)魔法少女大決戦(改)

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第8章 あなたはとても強いから



フェイトとの約束の場所は、近くに大きな川が有る
自然公園だった。

今は、午後3時半。

幸い、今日は天候に恵まれた。

雲一つない晴天とまでは、行かなかったが、
日差しが暖かい。

『この地球』は、魔法少女とインキュベーターの存在、
そして、魔獣の発生と言う要素を除けば、
『なのは達の地球』と酷似していた。

しかしながら、惑星の地形データ・
過去の歴史と、現在の各国の年号・
季節の移り変わりまで同じとは、
奇妙を通り越して、異常な一致と言える。

時空管理局の技術部の中でも、ガチガチの合理主義者で有名な、
マリエル・アテンザは、この事実を知った際、

『こんな偶然、科学的にあり得ないわ!

 オ、オカルトよ!!

 私の大嫌いなオカルトよー!!!』

と言って、三日間、寝込んでしまったそうだ。

『なのは達の地球』が、果たして、
その歴史に対して、インキュベーターの様な、
異星人文明の干渉を受けていたのか、どうかは、
今後の研究課題と言える。

『この日本』は、現在、6月中旬であり、
まだ夏の暑さは到来していない。

自然公園には、暖かくて、
気持ちの良い風が吹いていた。

本来ならば、平日でも、家族連れや、カップルで
賑わう場所であったが、フェイトが持参した
時空管理局特製〔人払い用(?)特殊結界装置〕
のおかげで、一般人は、
自然と、公園に入ってきたがらない。

『え、ええと、ありがとうございました。
 フェイト・テスタロッサ・ハラオウン執務官?』

何度か会って、個人的な話もしている仲なのに、
直接会って会話する場合は、ほむらはまだ硬さが抜けていなかった。

『フェイトで良いですよ、ほむらさん。フルネームじゃ長すぎるもの。
 それじゃ何か緊急事態が発生したら
 この通信装置でいつでも時空管理局に連絡してください 』

『分かりました。
 でも、これからは、この世界は私たちで守っていきます。
 ここはあの子が守った場所、
 いえ、私たちが皆で守った場所ですから 』

『そうですね。
 あなた達は、
 特にあなたはとても強いから』

『??』

フェイトは、自分の親友である、なのはに何かあったら、
自分はどうなってしまうのか、と考える。

実際、2年ほど前には、なのはが、
大怪我を負う撃墜事件があり、
なのはが、回復し、完全に復調するまで
フェイトは、情緒不安定だった。

だから、フェイトは、
暁美ほむらの事を、とても強い人間だと思うのだ。

『わたしがあなたの立場だったら、
 そう、大切な友達が、仮にいつもそばにいるとしても、
 その姿が全く見えないなんて、触れる事も出来ないなんて、
 私には絶対に耐えられない、
 一週間と、もたず、頭がおかしくなるにきまってる。

 そしてだれかを憎んだり、キズつけたりするにきまってる。

 なのはが..................

 なのはが、いない世界なんて!!

 私は、全てを滅ぼしてしまうかもしれない。

 ........ 母さんが、そうだったように 』

『そ、そんな事は』

『そんな事は絶対にないと、自信をもって言えないんです。
 そんなわたしは、まだまだ弱い人間なんです 』    

フェイトは、このあと、彼女が守るべき少年と少女に出会い、
その事をきっかけとして、真に強い女性へと成長していくのだが、
それはまた別の物語である。

『では、行きましょうか、キュゥべぇさん』

『話聞いた時は冗談かと思ったけど、
 本当にその管理局とかに行ってくるつもりなのかよ?』

キュゥべぇの意向に、杏子は、首をかしげた。

この白い宇宙人は、
しばらく姿を見せなかったのにどこから来たのか、
しかしキュゥべぇはいつもどおりである。

『そうさ。
 彼ら魔導師の体内に存在する魔力器官リンカーコア、
 そして魔力運用デバイス、
 それらを研究させてもらえたら、
 君達の消滅を防ぐ事が可能になるかもしれない 』

『やけに親切じゃんか。めずらしい 』

『そりゃ、君達は優秀な人材だからね。勝手に消滅してもらっては困るよ 』

『そうね、あなた達は、そう言うヤツラよね 』

ほむらが、思わず本音をもらす。

『それに、ボクらの一番の問題である
 エントロピーの増大によるこの宇宙の滅亡の回避についても、
 時空管理局の科学技術部門が相談にのってくれる事になった 』

『おー、そりゃよかったじゃん 』

ひとごとのように杏子が言う。

『と、言うかさ、悪い事をした宇宙人が連行されて行くようにも見え..』

『あああー!ボ、ボクとした事が、大事な事を忘れてた 』

『何よ?』

あまり見た事のないキュゥべぇのあわてぶりに、
ほむらが率直に質問した。

『これだよ!これ! 
 ボクがいない間のグリーフシードの分解を行うための
 処理装置を渡しておくの、すっかり、忘れてたよ 』

そう言うと、キュゥべぇは特殊な形状の機械をほむらに手渡す。

『操作方法は、ここの紙に君たちの言語で記入してある。
 使用上の注意をちゃんと読んでね 』

『どこの、家電屋の店員だ、お前は??』

すかさず、杏子がつっこみを入れた。

ほむらと、フェイトは、別れの握手を交わした。

その時、
やさしい風がふいて
ほむらの黒髪と、フェイトの金髪が
横に流される。

『どうかお元気で、フェイトさん 』

『ほむらさん。私、あなたと友達になれた事が本当にうれしいです。

 また、お会いしましょう 』

フェイトと、キュゥべぇの足元に、空間転移用の魔方陣が現れる。

空間転移に巻き込まれないように、
魔方陣から、ある程度、離れた場所に移動した後、
ほむらは、フェイトに手を振った。

フェイトも、ほむらに向かって手を振る。

キュゥべぇも、二人の動作をまねしているのか、
〔ウィング・ハンド〕をブンブン振っている。

やがて、フェイトとキュゥべぇの姿は、
転移魔方の光の中に消えていった。

一方、
マミはさっきから黙って何かを考えていたようだが、
突然杏子に詰め寄る。

『あああああ!!  佐倉さん!  あなた!!!』

『なな、何だよ、いきなり。』

『なぜか、いつだったかは、全く思い出せませんが、
 あなた、私が鹿目さんに出したケーキを
 横からぶんどって食べましたわね!!
 しかも手でつかんで!!』

『何だよ、そりゃ!! 
 あたいの記憶には、ねーぞ、そんなの。』

『いいえ、忘れたとは言わせません!!
 あれは絶対、絶対ゆるせません!!』

今回の事件でマミの記憶の扉が変な感じに開いてしまったようだ。

いきなり魔法少女の姿に変身するマミ。
もちろんその手にするのは愛用のマスケット銃。

『うわー!! やめろ、バカー!!』

パン!    パン!    パン!

マスケット銃を、ぶっぱなしながら杏子を追い回すマミ、
杏子も魔法少女の姿に変身して逃げ回る。

『あいたたたたたた!! 

いたい!!
いたい!!
いたい!!

 いたいってば!!!』

一応、マミはマスケット銃の威力をエアーガンぐらいに抑えているらしい。