バンザイアタック
吹く風は悪意だが刹那。
刻一刻と重なる時間は命を生む。
今日は雨が強く、目が白く濁る。
我は天の前では無力。
明けた空の光りは鏡へ突き刺し脳を貫いた
仕掛けの一部になった俺は天と錯覚する。
死が俺を高鳴らせる血から血へと広がり大きな赤い海が俺を飲み込んでいく。
そこにも俺の姿は無い、寧ろこの赤波が俺
赤くそしてけたたましい動きは地を這う獣
もう俺には前が見えない。
次は何になるんだろう。
何れは又、何ものかになるだろう
何時かの仲間は宿敵になり、宿敵は仲間に
昔、餓鬼だった頃、成長を許せなかった
このままでいたかった
俺もまた虫と同等、蛹から成虫へ
何時かの自分を俺は裏切った。
俺はあいつ等を殺すだろう。
成れぬものからの返り血が俺を紅。
無駄なら俺もろとも紅。