死者からの手紙
解答編
暗号が隠されていたのは、行末部分。
暗号を解く鍵となる部分は、ですます調だったのに、急に変わった語尾。
それに加えてこの部分が鍵です。
『しかし、私の疑心暗鬼は日が進むにつれて、階段を一段一段上るように、しだいに大きな物となっていきました。私は、増えてはそれを消し去り、ギリギリの位置で留まっていました。』
これが示す意味は、段落が進むにつれ、行末の後ろの一字を消すということ。
例
一段落目『。』
弐段落目『……』
消した後の行末を上から読みます。
『たすけてく堕査い』
になると思います。
つまり『助けて下さい』
どうしてこのメッセージかという解説をしますと、自らに殺されるという言い方は普通しませんよね。
何者かによって殺される可能性を示唆しています。普通ではないというのは分かるでしょう。解読できたならば。
それに加えて、タイトルとキャプション。
死者というのはすでに死んでしまったということ。
父親は暗号に気付くことができなかったということ。
よってこの娘は死んでしまいました。その残留となったメッセージを貴方に読み取ってほしかったというわけです。
もっと詳しく語るならば、私が考えたストーリーはこうでした。
ある娘が、ストーカー行為に会いそれを誰かに伝えることは出来ませんでした。しだいにそれは酷くなり、誘拐をされます。
娘は犯人に手紙を出すことを許されました。しかし、それは手紙ではなく遺書を書かせるつもりだったのです。
結局、手紙は何度も書き直すことになりました。どうにかして、彼女は教会というフレーズを入れることが出来ました。
誘拐されたのは教会だったのです。彼女は信徒でしたので、何にも不自然なことはなく、死体が発見されるのは教会だろうということで犯人は見逃したというわけです。自らに殺されるというのも、彼女が何とかして手紙に盛り込んだ一文でした。
そうして、彼女は手紙を出しました。何とかして、時間を稼いで、父親が助けに来ることを祈って……。
その結果は……言うまでもありませんね。
以上、お粗末でした。