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即興小説あっぷあっぷ
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novelistID. 26805
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まいはし

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「先輩せんぱ〜い、見てくださいよ、マイ箸っすよマイ箸。せっかくのゴールデンウィークだったし、家族で京都旅行行ったついでにお土産屋さんで買ってきたんです。ついでに弁当箱に付属してるような箸じゃないんですよ、良いものなんです、漆塗りの。土産物と言えば鉄扇買おうか迷ったんですけど」
 
「お前はハクオロになりたいのか? ふむ、マイ箸か。マイ箸を持っていると、カップ麺を買った時に頂ける割り箸が、必要なくなるな。それは何と言うか、とても寂しい事だ。しかし割り箸も絶え間なく、今この時も恐らくは生産されているのだから、創っちまったもんは仕方ないだろう? 使わないとそれこそ無駄になる、可哀想じゃないか。彼らが駆逐される謂れなど、ん、何を言うんだ、『割り箸要りませんの一言が言えないだけ』とかでは決して無いぞ、バカにしているのか貴様、俺は本屋ではカバーも付けないし、袋だってもらわないのだ。割り箸が特別なのだ。あぁ、いいから口を挟むんじゃない。こうして溜まっていく割り箸も時に人を救うのだ。手持ち無沙汰に輪ゴム銃とか作るんでもない、——作らんぞ? それが何の救いになる、暇つぶし? やはりバカにしているだろう。そう、例えばたまに、弁当持ってきてるのに箸を忘れちゃった!っていうドジっ子がいるわけだ。もしかするとお母さんが入れ忘れちゃったのかもしれない。それもまた萌えるな。——で、そこへ颯爽と『箸を忘れちゃったのかい?もしよければ、割り箸をあげるよ、コレでお弁当が食べられるだろう?』素晴らしいじゃないか、割り箸にもコレだけの価値があるのだ」

「なんか割り箸たくさん持ってる変な人がいるって噂聞きましたけど、先輩だったんですね」
作品名:まいはし 作家名:即興小説あっぷあっぷ