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でんでろ3
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novelistID. 23343
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あめ、あむ、ふれふれ…

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5歳の息子が、はにかみながら、でも嬉しそうに私に話しかけてきた。

「お父さん、僕、明日、保育園で歌を歌うんだ。練習するから聞いてよ」
「ああ、いいよ」

あめ、あむ、ふれふれ、かあさんが

「ちょっと待て。『あむ』って何?」
「僕、知ってるよ。この前テレビでやってたもん。飴職人さんが飴を糸みたく細ーくして編み物みたいなの作ってたよ」
「ちょっと待て。『あめ』も『雨』じゃなくて『飴』なのか?」
「そうだよ。だいたい雨は編めないし持てないから、お母さんが振ることも出来ないよ」
「ちょっと待て。『ふれ』も『降れ』でなくて『振れ』なのか?」
「えっ、違うの?じゃあ、何なの?」
「だから、空から落ちて来る『降れ』だよ」
「えーっ!あんな固い飴が空から降ってきたら、人に当たって、そこら中、血の海だよ」
「お前、幼児のくせに冷静でグロいね。だから、『飴』じゃなくて『雨』なんだよ。『雨、編む』じゃなくて『雨、雨』って、雨を2回繰り返すんだ」
「どうして2回繰り返すの?無駄じゃん」
「我が子ながら可愛くないこと言うね。繰り返すことによって喜びを表しているんだよ」
「お父さんの説明、難しくて分からないや」
「都合のいい時だけ子供になりやがって。いいかい、この歌は雨が降るとお母さんが迎えに来てくれて嬉しいっていう歌なんだよ」
「家みたいにお母さんが男を作って逃げちゃってたら、どうするの?」
「お、お前、なぜそれを!」
「隣のおばさんが言ってたよ」
「あのクソ婆ぁ。いいかい、ちょっと難しい言葉だけど、人に聞かれたら、『性格の不一致』って言いなさい」
「えっ、どっち?」
「どっち?」
「えっ、だって、『Which』って」
「お前、歳、ごまかしてないか?」