ドリーム×クロック Ⅱ
俺は、身に覚えのある浮遊感を合図に目を覚ます。
しばらくして光に目が慣れたころ、そいつは俺の目の前に立って言った。
「今日は随分と遅い御帰還ね、アイル」
「"御帰還"って・・・俺の世界はあっちだッ!!お前と違ってな!」
そんな嫌みを言いあって、俺はプラントのカプセルから出た。
"プラント"とは、この世界の中心にあるでっかい工場みたいな施設だ。
詳しいことは知らねぇ。
ただ・・・・・
「何ボーッとしてんの!!早くして!」
・・・・・さっきからごちゃごちゃとうるせぇ、この女
―――"レイ"―――は、少なくとも俺よりはこの世界に詳しい・・・はずだ。
「今度聞いてみようかな・・・?」
「は?何?」
「いや、何でもねぇ」
そして俺は、強制召喚カプセルのふたをおもいっきり閉めてやった。
「さぁ・・・・任務開始だ」
こうして、俺のこの世界での仕事が始まる。
この、"デイ・アフター・ランド"と呼ばれる、
腐った世界の、
腐りきった仕事を。
to be continued・・・
作品名:ドリーム×クロック Ⅱ 作家名:黒雨花