どんな夢なら、叶えられたかな
今日一日の中で、どこかで聞けるかもしれないと期待して
目の前の風景を一つ一つ覚えていくみたいに
君のことを思い出していくんだ
街の中では、沢山の想いが見えない糸みたいに張り巡らされていて
僕はその糸を、見えないなりに
切ってしまわないかと気を配って歩くんだ
僕からもそんな見えない糸が
君や、せめて君の方へ伸びていてくれたら
本当にいいのにと、思う
時が過ぎるたびに変わってしまう君の気持ちも全て
僕と同じように凍ってしまえばいいのに
ねぇ、今君はどうしてる?
僕が君と果たせなかった夢は今も
僕の中に眠っているよ
凍ってしまった時間も記憶も想いも、全て
この部屋に残ってる
まだ君に、僕の記憶が少しでもあるなら
一つ一つ思い出して欲しい
決して儚い夢のように、淡い思い出ではないはずだから
確かにそこにあって、それでも掴めない空みたいに
消えてしまいそうではあるけれど
きっと、きっと
叶わない僕の夢も、その中にあるから
忘れられて、ずっと眠っているから
だから
思い出して、記憶を辿って
どんな夢なら、叶えられたのかを
探しているんだ
作品名:どんな夢なら、叶えられたかな 作家名:黒雨花