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ミムロ コトナリ
ミムロ コトナリ
novelistID. 12426
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マジェスティック・ガールEp:1 まとめ

INDEX|78ページ/80ページ|

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 ツツジの号令と共に、突き刺さったマルチカノンの後部が開き、そこにもう一機のマルチカノンが挿入された。連結した二機のマルチカノンは、長大なキャノン砲塔に変じた。
 砲塔に青白い雷光が迸り、先程よりも強力なビームの榴弾が放たれた。轟音が響き、通用路の狭い空間が激しく揺れ動いた。
 <ラース・カーフ>の装甲が砕け、バラバラと破片が舞い飛んだ。
 コアが見えた。この一連の攻撃で、<ラース・カーフ>は丸(`)裸(`)になっていた。ミミリ達が散々苦労して倒した頑強な雄牛が、凛の攻撃を含めれば――たったの三撃で。いとも容易く。
 その筈。単体での単純火力で言えば、ツツジの攻撃力はリミテッドテン随一であった。
 砕けた装甲が再結合を始め、集まり出し、コアを覆うとした。
 瞬間。
 ツツジの目が淡く煌めいた。能力を行使し、電子を操作。物質の電子に直接働きかける。
 分子は複数の原子が電子で繋がれて形成されている。分子を結ぶ電子を取り除けば、原子は分子に分解される。この論理を用いれば、物質を分解・構築する事も可能だ。
 ツツジは、そうした理屈で装甲の再生を阻害してのけた。
 コアに寄り集まっていた装甲の破片が力なく、パラパラと床に落ちていく。
 電子を操作する能力に特化したツツジにはこのような芸当も可能だった。(ただし条件として、ある程度物質の剛性が失われている事が前提だが)
 超常を旨とするアクトゥスゥ変異体も、物質の体を持つ以上はこの宇宙の概念(ルール)に、一部だが縛られる。分子と電子を操作されては、肉体の再生は適わない。
 止めを刺しに、凛が動く。
 無防備になったコアに、<リソース・パニッシャー>が突き立てられた。
 ガラス玉が割れた様な音が響き、コアが砕けた。赤黒い球体に網目状のヒビが入っていく。
 ヒビの亀裂から黒い液体がドロドロと吹き出し、直後、<ラース・カーフ>の巨体が液状に溶けて崩れ去った。
「作業完了」
 そう言う凛の声色には何の感慨も含まれていなかった。決まった手順と定型(テンプレート)に則って作業を淡々とこなしただけ。そう言う無機的な声色だった。