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ミムロ コトナリ
ミムロ コトナリ
novelistID. 12426
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マジェスティック・ガールEp:1 まとめ

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 惚れ惚れするほど満面の笑顔でドSなことを口走る凛。
「げゲェェ――!誰がやるかよバカッ。お前その前、パンチ測定器で2トン以上叩き出したの俺は知ってんだぞ。無理、ぜったい死ぬって!マジ死亡遊戯だしッ」
「安心しろ、内蔵が傷まないよう顔面狙いで打ち込むから大丈夫だ。内蔵はよくないからな、生命維持に支障をきたす」
「フツ―そういのって、腹狙いじゃありませんッ!?暴行の証拠が残らないようにさ。ていうか、顔のほうが十分危険ですッ!」
「暴行とは人聞きの悪い。れっきとした同意を得たトレ―ニングじゃないか」
「俺は同意してませんけどね」ジト目で言うヒューケイン。
「良かったな、私みたいな美女に殴られるなんて、一部の業界ではご褒美ものだぞ。全く
羨ましい奴だなお前は。嫉妬されて後ろから刺されるなよ(はぁと)」
「どこのニッチな業界だよ!ドM変態の集まりかッ」
「あ、ちなみに拒否権はないからな。来なかったら、部屋に押しかけて殴り殺す。逃げたら車で追いかけて轢き殺す。来たら嬉しさのあまり、この巨乳でハグして窒息死させてやる」
「どうあってもデッドエンドじゃねぇか…」
「なにを言うか、訓練中の事故死という奴だ。ちなみに、死因は腹上死な」
「え?どういうことなの」
 本気で分からないという顔をするヒューケイン。
「ドM変態のお前は、美人なお姉さまに傷めつけられて嬉しさのあまり昇天するんだ。脳内麻薬の出しすぎでな。たまらないシチュエ―ションだろ?」
「いやなシチュエ―ションだなぁ…。俺は嫌だぜそんなのー…」
 それを聞いて、凛は愕然とした驚きの表情を取る。
「え!?違うのか。私はてっきり、お前がそういう趣味かと。だから私は、お前に悦んで欲しくてドSなことを言ってるんじゃないか。その心遣いが分からないとはなんという『゛』だ!それに…ほ…本当は…、ああ言う事、い…言うの…、は…恥ずかしいんだぞぅ」
 そう言って、わざとらしくもじもじと頬を赤らめる凛。
「アホか!勘違い甚だしいわ、このバカ姉ッ!」
 ありえねぇ!と、全力でツッコむヒューケイン。
 それを聞いて、凛のこめかみに青筋が立った。
「なんだと、このバカヤロウ。すげぇ頭に来た。よし、今すぐぶっ殺してやろう」  
 パキパキと拳の骨を鳴らす凛。本気で『ヤる』という目をしていた。
「ハハハハ。葬儀は学園総出で盛大に取り行ってやるぞ、マイブラザ―。墓標にはヒューケイン・D・プラタナス。略して『゛』ここに眠ると、私が直に掘ってやるからな」
「『゛』はもういいよ!どっちみち、デッドエンド確定かよ!さっきの一連の流れ、照れ隠
しで言ったつもりなのに、ガチで受け取りやがった、このクソ姉ッ!」
 後ずさって逃げようとしたところ、凛の掌がヒューケインの肩をがっちりと掴んだ。
「よし、祈りはすんだか?まぁ―、待たないけどな(ニッコリ)」
「いやぁァァァッ!!助けてミミリちゃんっ!」
 プ―ルサイドに肉と骨が軋む音と、拳がうなる音が連続してこだました。
「…ヒューケインさん。ほんと、言葉は選んだほうがいいと思いますよ」
 さすがのミミリも呆れる他無かった。
 この姉弟。基本的にドSだが、特に素直じゃない所が、どこかの誰かさんにそっくりだった。