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嘘つき

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嘘つき……。
あんたはいつだってそう。
いっつもいっつもあたしを騙してばっかりで。
本当のことなんて言いやしない。
いくら苦労していても疲れた表情一つ見せない。
「君に心配かけたくないから」
じゃああたしの気持ちはどうなるの。
あたしのためならどんなに自分が傷ついても良い、そんなあんたが許せなかった。
どんなことでも相談してほしかった。
何でも独りで抱え込むからこんなことになっちゃうんだ。
何よ、後三カ月の命って。
ふざけないでよ。
どうしてそんな大事なこと黙ってるのよ。
どうしてあたしが「体調でも悪いの?」って聞いた時素直に答えないのよ。
もっと自分の体を大事にしていればこんなことにはならなかったかもしれないのに。
枕元で涙を流すあたしにあんたは言った。
「泣かないでくれよ。君には笑顔が似合ってる。だから涙なんか流さないで、僕は大丈夫だから」
嘘ばっかり。
あたしは知ってる。
一人になった時あんたが泣いているのを。
もう強がったりしないで。
もう嘘をつかないで。
何でもあたしに正直に言って。
何でもあたしに手伝わせて。
せめて残りの三カ月くらい、あんたの手足にならせてちょうだい。
「ありがとう」
あんたのその笑顔随分久しぶりに見た気がする。
ようやく素直になったじゃない。
作品名:嘘つき 作家名:逢坂愛発