~キセキ~
「なんだ?兵助。」
暗い森の中、彼・・・久々知兵助が俺に言った。
「こんな世界で・・・自分の生死さえ、分からない時代に人を愛するなんて、俺にできそうにはないから・・。」
「?どうしたんだ?」
「だから・・・・。」
久々知が照れくさそうに微笑む。
「もしも、戦のない世界に生まれ変わってお前と出会えたのならば・・・。」
「出会えたのなら?」
「今度は・・・竹谷に恋をしてもいいですか?」
「ったく、キセキみたいな確率だな・・」
「だからさ、いいか?」
「あぁ、いいさ。」
「ありがとう」
<<ガバッ>>
「夢・・・?」
朝、目が覚めてみて分かった。
今までのは夢だった。
過去、前世の記憶だ。
俺は、竹谷八左エ門。
現代は、中学二年。
寮生活だ。
「今、何時だ・・・?」
[8;00]
「やっべ!!」