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小太郎の飛行機旅行

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9月25日 日曜日


 雨は次第におさまり、1時間で福島空港に着いた。
 まずは小太郎を預ける。ケージに入ることにかなり抵抗したが、夫が抱きかかえるようにして入れることができた。
 
 足跡を残すのが目的の夫。もう少し山を歩きたかったが雨であきらめもつき、代わりに食べることを楽しんだ私。このふたりのそばにいることを喜びとしている小太郎。三者三様の思いでここで別れることになった。
 
 夫は東京へ。
 2階のロビーから、ケージに入った小太郎が運ばれている様子が目に入った。立ったまま外を見つめていた。
 
 12時35分発の機体は小さく、35人乗りだったろうか。
 1時間で伊丹空港に到着。
 荷物を受け取り小太郎をケージから出すと、一目散に出口へ。
 そのまま駆けるように家への道をたどる。ブレーキをかけながらリードを引っ張る私。
 
 なじみの散歩コースにたどり着いてやっと落ち着きを取り戻し、振り返った小太郎はそこで初めてひとり足りないことに気付いて、しばらくそこから動こうとはしなかった。
 
 太陽の光が、まぶしく照らしていた。
作品名:小太郎の飛行機旅行 作家名:健忘真実