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せき あゆみ
せき あゆみ
novelistID. 105
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ひろくんの雪だるま

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 朝、ひろくんが起きたら、外は目が痛くなるくらい真っ白な一面の雪げしきでした。
「わあい、雪だ。雪だ」
 生まれて初めての大雪に、ひろくんはおおはしゃぎ。さっそく庭に飛び出しました。
「よいしょ、よいしょ」
 雪玉を転がして、雪だるまをつくったひろくんは、その顔に目と口をつけるのにおもちゃ箱を持ってきました。
 そして、赤い長四角の積み木を口にしました。けれど、目玉にする丸いものがありません。そこで、ひろくんはもう一つの箱からスーパーボールを持ってきました。
 でも、ちょうどいい大きさのは、七色のきらきらが入った透明のボールだけです。
「ちょっとかっこ悪いけど、がまんしてね」
と、ひろくんは雪だるまに言いました。
 雪がふってきたので、ひろくんはおうちに入りました。あったかいココアを飲みながら、窓から外を見ていると、家も木も、止まっている自動車も、つもった雪でみんな雪だるまのようです。そのとき、ひろくんは急に、
「あ、ぼく、汽車を忘れた」
と、言いました。
 昨日ともだちと遊んだとき、おもちゃの汽車を公園の砂場に置き忘れてしまったのを思い出したのです。
「どうしよう。ママ」
「だいじょうぶよ。雪がやんだらとりにいきましょ」
 ママは言いましたが、ひろくんは雪といっしょに汽車がとけてしまわないかと心配です。
 雪は夜になってようやくやみましたが、ひろくんはもう寝る時間です。とても公園に汽車をさがしに行くことはできません。
 ひろくんはふとんにはいっても、気になってねむれません。そうっと起きて、窓から外を見ました。月明かりに照らされて庭は明るく、雪だるまもよく見えます。
 そのときです。雪だるまの目がきらっと光ったかと思うと、むくむくっと動きました。
 ひろくんが目をまん丸くしている間に、雪だるまはほわんほわんととびはねて、庭から道路へ出て行ってしまったのです。
 急いで庭に出てみると、今度は空から何かが飛んできたのです。それは汽車でした。汽車はひろくんの目の前で止まると、乗っていた雪だるまが言いました。
「ひろくん。この目、ぼく気に入ったよ。だれも持ってないし、よく見えるんだ。いっしょにあそぼうよ」
 ひろくんはよろこんで汽車に乗ると、雪だるまといっしょに町中を探検しました。汽車はジェットコースターのように空を飛んでいきます。ひろくんはごきげんです。