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星屑ロット

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三つ目



後ろを振り返ると、あの子がついてくるのが見える。
とことこ、と小さな足を懸命に動かして、小さな手を握り締めて僕の背中を見つめ、頑張ってついてくる。
それを見ないようにはしていても、やはり気になって振り返ってしまう自分に嘆息する。
本当なら、あの子がついてきていることを、確認してはいけないというのに。
きっとあの子は自分の限界まで努力して、頑張ってついてくる。
必ず僕の隣に立てると、追いつくことが出来ると信じて、僕に向かって歩き続ける。
だからこそ、振り返って確認してはいけない。
いつの日か、人としての限界にぶち当たり、そして老い、少しずつ進んでいた距離が開き、振り返っても僕の後ろにあの子の姿が見えなくなる。
その日がくるのに。
徐々に否応がなしに離れていく、あの子の姿など、見たくないのなら。
僕は、振り返ってはいけないのだ。

作品名:星屑ロット 作家名:こたつ