小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

140

INDEX|1ページ/1ページ|

 

01.老紳士と女学生の話し。


「機械は苦手で…なかなかね」
 そう恥ずかしげに笑う彼は、少しくすんだ桜色の封書を節くれだった指でなぞった。
「…これはね、恋文なんです。絶対に、出せはしないのですが」
 私はそれが誰に宛てたものか聞けず、ただ「そうですか」とだけ呟いて、
愛おしそうな彼の瞳と小さな胸の痛みから目を逸らした。
作品名:140 作家名:藤堂桜