白い写真に抹茶が零れて
「お茶っていうのはおもてなしのための形だから、来てくれた人が喜んでくれるのが一番いいことなんだ。私がさつで面倒くさいこと嫌いなんだけど、お茶のそういうところは好きでだから続けようと思ってる」
きっとそういうことだろう。自分がお茶とお菓子をごちそうになったのに「美味しい」という一言で喜んでもらえるということに、美しさを感じたのだと思う。
「じゃあ、活動はさっきも言ったとおり、月・水・金。少なくとも4月の間はここでやってるつもりだから、良かったらまた来てください」
「ありがとうございました」
「いえいえ。こちらこそありがとう」
立ち上がると少し足が痺れて重くなっていた。それでも笑顔で頭を下げて、出て行った。
その後生物部を見て、一応美術部にも寄ってから帰った。
金曜日には、僕は再び若竹会館に向かっていた。
作品名:白い写真に抹茶が零れて 作家名:じゃがび